コラム de スタディ

2021.05.10.
【医療介護あれこれ】残薬調整について(QAより)

このところ、「残薬調整」にかかるお問い合わせが続いています。
そこで、調剤薬局による残薬調整の現状を調べてみました。

令和2年度改定において、調剤薬局では「対物業務から対人業務へ」という方針が具体化し、「かかりつけ機能の評価」が柱として位置づけられているように思います。対人業務といわれている部分では、「薬剤服用歴管理指導料」「かかりつけ薬剤師指導料」「服薬情報提供料」などからなる、服薬にかかわる情報の聴取や薬学的管理・記録、患者さんへの情報提供など、が挙げられていると思います。
この中のひとつが、飲み忘れ等の「残薬調整」ということになるのではないかと理解しています。

さて、福岡県でも「ブラウンバック」などの取り組みが知られているところだと思いますが、現実として、どのように行われているのでしょうか?

下記の図は平成30年度診療報酬改定説明会資料で出された残薬調整にかかる取扱いを図式化したものです。

残薬調整にかかる取扱い
(出典:厚労省「平成30年度診療報酬改定説明会資料」より)

これによると、患者の処方内容について、調剤薬局で残薬を確認し、薬剤の廃棄等を減らすことや服薬指導において治療効果を高めることなどがあると思います。

残薬分を考慮して処方量を変更する場合、三通りが考えられるとおもいます。
① 疑義照会により主治医に相談して減薬する場合
② 残数を主治医にお知らせして次回の処方で調整してもらう場合
③ 事前に先生の許可をもらい残薬調整した後の処方をする場合

これらのどれを選ぶのか、医療機関や先生方の方針もあるでしょうから、処方箋の備考欄において指示を出すということが求められています。
ちなみに、昨年の改定では、下記のようにチェック項目があり、「残薬確認」に対する医師の指示を記載するようになっています。

処方せん見本
(出典・厚労省「改定説明会資料」より)

この内容は上記①疑義照会をしたうえで調整、③残薬調整した後主治医に変更の報告を行う、という二択になっています。医師の負担軽減の観点からも、②次回の処方で調整、という方法は推奨されていないのかもしれません。
また、患者の次回通院予定に合わせるのですが、数日の猶予期間を持たせて調整されているケースが多いように思います。これは、患者の都合によりお薬が切れてしまうことを防ぐためです。

【手順】
医師は処方箋の中で、「残薬調整後の報告可」として、残薬調整を行うことを指示します。

調剤薬局は、処方箋受付時に患者から残薬を確認し、残薬を差し引いた減数調剤を実施・患者へ服薬指導等を行います。

実際に調剤した状況を遅延なく主治医に報告します。
トレーシングレポートを活用するケース、調剤日数を変更した処方箋のコピーにより、報告している調剤薬局などがありました。

医療機関はカルテに変更内容を記載(取込み)します。

【減数調剤を行う上で工夫されていること等】
きっちりとした日数調整をした場合、次回の受診日が患者の都合で変更になった場合に手元薬剤として数日分(7日分程度)の余裕を持たせるように調剤薬局にお願いしているケースが多かったです。
また、麻薬や抗がん剤等の薬剤については減数調剤をみとめず、事前の疑義照会を指示されるケースもあるようです。
これらを安全に進めていくためには、「現物を確認する」ことが大前提であるということは皆さん仰っていました。

【レセプトへの記載事項】
減数調剤を行っていることに関して、特に医科点数表に記載事項として掲載されていません。しかしながら、減数調剤によると思われる査定(調整した数量に減点査定)をされた事例が行われていることもお聞きしています。まだ始まったばかりの取り組みですので、審査側にも、まだ浸透していないのかもしれませんね。
調剤薬局との突合審査が進む中では、コメント等で、残数調整したことが分かるようにした方が安全かもしれませんね。

まだまだ浸透しきれていないようには思いますが、お薬を無駄にしないこと、飲み残しを減らすこと、飲み間違えを減らすことなど、大事な取り組みだなという印象を持ちました。
皆さんの医療機関ではどのようにされているでしょうか?
この機会に考えて見られるのもよいかもしれません。

医業経営支援課

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