コラム de スタディ

2021.05.12.
社労士モリの映画あれこれ~「ノマドランド」(2020:アメリカ)~

先日発表されたアメリカのアカデミー賞で下馬評通り、最優秀作品賞を含め3冠(監督賞、主演女優賞)を獲得。日本でも現在公開中、今後もこの受賞で暫く上映は続くようです。

リーマンショックにより仕事と家を失った女性が主人公。既に夫も亡くし、高齢になる彼女ですが日々の生活を車上で送り、時として日雇い労働者として収入を得ながら、アメリカの広大な土地から土地へ車で移動し、放浪の旅を続ける…。

※以下、少々ネタバレがあります。
あらすじを書いてしまうと、貧困で悲惨な生活を送るアメリカ人を通じて格差社会を皮肉る資本主義批判映画として解釈されるかもしれませんが、それはあくまで一断面の背景に留まり、映画はむしろ決して裕福ではなく、不便でもあるこの生活をある意味肯定的に捉えられている感があるのが興味深いところです。実際のこの映画の後半では、主人公は安住の生活を選択出来る機会があるのですが、彼女は自らの意思でそれを放棄して「現代の遊牧民(ノマド)」して自由な生き方を選択するのです。
そこには貧困や孤独という哀感はあっても、決して悲壮感や閉塞感は感じません。行く先々への見られる自然の厳しさや美しさ、そして旅先での彼女と同様な生活を送る人々と交流。彼らの中にはアメリカの開拓時代から受け継がれる生活として誇りをもって生活している人も。
ドキュメンタリー手法を交えた物語展開は淡々として起伏はありませんが、それ故に登場人物の生活がリアルに感じられます。よって派手な見せ場や盛り上がりがあるエンターテインメント作品を期待する観客には完全に肩透かしを喰らうでしょう。
日本人の私としては感覚的に理解しにくい箇所がありましたが、生き方を通じて様々な価値観の考察があり、アメリカの現在をよりリアルに反映されているようで興味深い1本でした。

筆者略歴:特定社会保険労務士。 「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。

労務コンサル課

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