【医療介護あれこれ】医療事務基礎講座「ウイルス疾患指導料」
長 幸美
アドバイザリー特定疾患治療管理料の中に「ウイルス疾患指導料」という項目があること、皆さんは意識されたことがあるでしょうか?
あまり算定する機会がないこの指導管理料ですが、感染対策という意味では重要な項目でもありますので、見ておきましょう。
【B001「1」 ウイルス疾患指導料とは】
ウイルス疾患指導料は、対象となるウイルス疾患に罹患していることが明らかにされた時点以降に、療養上必要な指導及び感染予防に関する指導を行った場合に算定できます。
■対象疾患及び算定回数
この指導料は対象疾患により、算定回数が決められています。
つまり、「肝炎ウイルス、成人T細胞白血病」の場合は、最初に診断された医療機関で指導し、算定されていたら、他の医療機関では算定ができないということになります。
このため算定にあたっては、注意が必要です。
■指導対象者
指導対象は、他人に対し感染させる危険がある者・・・つまり「患者本人」とその家族です。
【具体的な指導内容の例】
この項目には、本人の療養上の注意事項等を指導するだけではなく、ウイルス疾患にかかっていることが分かった場合に、感染を周りに広げていかないために日常生活上どのようにしたらよいのか、等の公衆衛生上の指導や院内感染、家族内感染防止のための指導等が含まれています。
■疾患の療養指導
疾患の特徴や予後等に対するリスクなどの説明の他、日常生活についての、注意事項等を説明します。
例えば、
「C型肝炎」であれば、肝硬変に移行するリスクや禁酒、過労を避けることなど、
栄養管理が必要なことなどが考えられます。
■感染防止のための指導
この場合は、血液感染が主であるため、血液や血液が混入した体液が他の人に接触しないように気を付けること・・・具体的には歯ブラシやタオルの共用をしないことなどがあげられます。
【カルテの記載】
2号用紙の記載については、初回の指導が明確になるように記載しておく方が良いでしょう。また記載要件としては、以下の点を記載するようにしましょう。
■診断名
■指導の要点
①療養指導
例えば、栄養食事指導、超音波検査等の精密検査や薬物療法等の検討内容、等の記載があるとよいと思います。
<具体例>
予後のリスク ・・・例えば肝硬変への移行など
過労を避ける、十分な休養をとること、栄養について /など
②感染防止のための指導
具体的な指導内容を記載しましょう。
事例としては、少ないかもしれませんが、健診や内科的疾患を扱う医療機関様はこういった事例を見ることもあるかもしれません。頭の片隅にでも置いておきましょう。
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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