コラム de スタディ

2020.11.09.
社労士モリの映画あれこれ~「異端の鳥」(2019年:チェコ・スロバキア・ウクライナ合作)~

上映時間3時間近い長尺、しかも映像は全編モノクロ。
過激な描写と、一見淡々とした救いようのない物語展開ははっきりと好き嫌いが分かれそうな作品ではありますが、それ故に独特の個性を持った作品です。

物語は第2次大戦下の東欧のとある農村。叔母と2人暮らしをしている少年が主人公。ところが叔母が急死、同時に家を失ったことから少年は放浪の旅に。しかし行く村々で、肌や髪や眼の色が異なるということで周囲から「ユダヤ人」「ジプシー」と差別され、虐待を受けます。どうやら少年はホロコーストから逃れるために、両親から離れ叔母の家に疎開したことが判るのですが、ホロコーストという「地獄」から逃れたのにも関わらず、日常社会においても「地獄」を経験してしまうというこの皮肉…。

劇中、少年が知り合った鳥売りの男が、ペンキで色付けした鳥を、大空を飛んでいる鳥の群れに放ちます。ところが他とは違う色をしたこの鳥は、群れから攻撃され、殺されて地に落ちてしまいます。異なるものを排除するのは人間だけではなく、もしかして生き物の原初的な本能なのか、映画は問いかけてくるのです。

病、偏見、暴力そして戦争、人間の様々な「負」の部分をこれでもかと見せつけられる反面、透明感にあふれた白黒映像の美しさと絵画のような画面構図が印象的。そこにある種の寓話性も感じるとともにそれ故にこの物語が、いつの時代でも、どこでも起こりうる普遍的な出来事であること、そして我々も加害者にも被害者にもなりえる事に気づかされるのです。

筆者略歴:特定社会保険労務士。 「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。

労務コンサル課

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