国民年金の強制徴収を拡大

森 𠮷隆

人事労務

厚生労働省と日本年金機構は、平成29年度より国民年金保険料の強制徴収の対象を、現在の年間所得350万円以上の滞納者から、300万円以上に拡大するとの事です。国民年金保険料の納付率は60%前後で低迷しており、今後保険料の滞納に厳しく対処し、納付率の底上げを狙う見込みです。

保険料の徴収を担当する年金機構は、滞納が続いた人にまず文書や電話、戸別訪問等で納付を求め、この要請に応じない場合、一定以上の所得がある人に強制徴収を実施しています。

今回の新基準を適用することにより、現在の対象者約27万人に、9万人程度が加わる見通しとなっています。

徴収の流れとしては、まず「最終催告状」という書面を対象者に送付し、応じない場合に督促状を送付。その後、年金機構の職員が銀行口座や有価証券、自動車等の財産を調査し、売却できないよう差し押さえる仕組みとなっています。

強制徴収の所得基準の引き下げは、平成29年度の実施で2年連続となり、滞納者に対する保険料の徴収については、今まで以上に厳しくなるものと思われます。(※平成28920日 日本経済新聞 朝刊より抜粋)

 

人事労務課 シニアコンサルタント

著者紹介

森 𠮷隆
人事コンサルティング部 労務コンサル課 シニアコンサルタント
(特定社会保険労務士)

「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。

制作者の直近の記事

コラム一覧に戻る
お問い合わせ

PAGE TOP