教育訓練休暇給付金の税務上の取り扱いについて~令和7年10月1日開始~ 

横瀨愛菜

税務・会計

本コラムの内容は、執筆時点での法令等に基づいています。また、本記事に関する個別のお問い合わせは承っておりませんのでご了承ください。

令和6年5月17日に公布された 「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)」 により、令和7年10月1日から新たに 「教育訓練休暇給付金」制度 が始まります。この給付金についての税務上の取り扱いとともに制度の概要をご紹介します。 

1. 税務上の取扱い 
本給付金は雇用保険法上の「失業等給付」に位置付けられています(同法第10条第5項第2号)。 
同法第12条により 課税が禁止されているため、所得税は非課税 です。 

2. 制度の概要 
労働者が 教育訓練のために自発的に取得する一定の休暇 に対して支給される給付金です。 
在職中に取得する無給の教育訓練休暇が対象となり、支給は会社を通さずハローワークから労働者本人に直接行われます。 

3. 支給要件 
・休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があること 
・休暇開始前に5年以上の雇用保険加入期間があること 
・30日以上連続する無給の教育訓練休暇であること(就業規則に基づき、事業主承認済み) 

4. 給付内容 
給付日数:雇用保険加入期間に応じて 90日/120日/150日 
給付日額:休暇開始前6か月の賃金日額を基に算定 

5. 留意点 
給付を受給した労働者は、それまでの被保険者期間がリセットされ、一定期間は離職時の失業給付(基本手当等)を受けられなくなります。 
事業主は、就業規則の整備や賃金証明書の発行など、制度利用に向けた社内準備が必要です。
教育訓練休暇給付金は、従業員が安心して教育訓練に専念できる新たな支援制度です。 
非課税の給付として直接本人に支給される一方で、失業給付との関係には注意が必要です。 

<厚生労働省リンク> 
教育訓練休暇給付金:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/kyukakyufukin.html 

令和7年8月25日

著者紹介

横瀨愛菜
税務会計コンサルティング部 税務会計1課

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