電話が怖い…そんなあなたへ ~声だけの接遇に自信をもつために~

長 幸美

医療介護あれこれ

本コラムの内容は、執筆時点での法令等に基づいています。また、本記事に関する個別のお問い合わせは承っておりませんのでご了承ください。

「電話が怖いです…」
「誰が出るかわからないし、どう話せばいいのか不安です」
「電話が鳴ると、ドキドキします!」

これは、近年の新卒者の多くが口にする言葉です。LINEやチャットといった文字中心のコミュニケーションが主流となった世代にとって、「声だけ」でやり取りをする電話対応は、非常にハードルの高いツールに感じられるのかもしれません。
実は、私も最初とても電話の対応が苦手でした。今でも相手がわからないときにどう対応しようか、誤解なく要件を伝えるためにどう話をしたらいいか・・・と、後回しにしたくなることがあります。

しかし医療機関にとって、「電話応対」は重要な接遇スキルのひとつであることに変わりはありません。
だからこそ、焦らず、段階を踏んで、少しずつ慣れていくことが求められるのです!

◆ 怖さの正体は「分からなさ」

電話が怖いと感じるのは、「相手が見えない」「何を聞かれるか分からない」「間違えたらどうしよう」という不安があるからです。しかし実際はというと、よくある問い合わせ内容はある程度パターン化されています。まずは「聞かれること」を想定して準備しておくことで、不安の多くは軽減できるはずです。

それとともに、勤務する医療機関に関係する会社など、あらかじめ名前を確認しておくと相手側の名前が聴き取りやすくなります。

◆ 台本があなたを助ける

そうはいってもいきなりの電話にどう対応するかドギマギすることがあります。そんな時は「電話応対メモ」や「応対マニュアル」があると安心です。たとえば、以下のような“定型フレーズ”を覚えておくと便利です。
「お電話ありがとうございます、〇〇クリニックでございます」
「恐れ入りますが、確認いたしますので、少々お時間をいただけますか?」
言葉に迷ったときも、このような「決まり文句」があることで、きっと落ち着いて対応できますよ。

◆ 完璧でなくていい、でも丁寧に

はじめから完璧に話せる人はいません。
大切なのは、相手に「丁寧に対応しよう」とする気持ちが伝わることです。
ゆっくり、はっきり、そして明るく声を出すことを意識してみましょう。

聴き取れなかった時は、「お電話が遠いようです」「電波がとぎれてしまいまして・・・」と断って「もう一度おねがいできますか?」と聞き直しても構いません。要は相手の名前を間違えないことが大切だからです。
相手の方のお名前はしっかりと確認出来るようになりましょう。

◆ 一歩ずつ、慣れていこう

もし最初から「電話を取る」ことにハードルが高いと感じるのであれば、まず「取次ぎ」や「保留対応」から練習してみましょう。慣れてくれば、自然と「聞くべきこと」「伝えるべきこと」がわかってきます。
基本を大事にしつつ、難しい言い回しをしなくても、「丁寧に対応する」ということを大事にするとよいと思いますよ。

最後に…

電話応対は、最初はドキドキして当然です。なぜならば電話では相手の顔を見ながら話をするわけではないからです。視覚的な補助がない中で、言葉だけで説明し、伝えていくということはとても難しくて当然です。
でも、あなたの「声」を通して患者さんに「安心」を届けられるとしたら・・・どうでしょうか?
それはとても素敵なことだと思いませんか?
経験することにより、怖さや不安を「接遇スキルの第一歩」に変えて、ぜひ 少しずつ挑戦してみてくださいね。

<以前のコラムのご紹介>

 まだお読みでない方、ぜひ以前ご紹介しているコラムもお読みくださいね!
 一緒に少しずつ頑張っていきましょう!

 ■医療機関における電話応対について①~基本編~ ⇒(こちら)

 ■医療機関における電話応対について②~事例編~ ⇒(こちら)

2024年6月10日

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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