医療機関における電話応対について①~基本編~

長 幸美

医療介護あれこれ

皆さん、仕事をしていると様々な電話を受けることがあると思います。皆さん自身の「電話での応対」について考えたことはありますか?

電話応対は嫌いなのよね~という方もあると思います。私もその一人で、苦手意識を持っています。
相手の様子(年齢、性別、表情等)がわからないまま、受けなければならないし、かけなければならないから、とても不安になり、難しい(苦手な)一面を感じているのです。

今日は、そんな「電話応対の基本」を皆さんと学んでいきましょう!

基本的な電話のルール

電話では、「視覚」による情報が得られないため、言葉のみのコミュニケーションになります。このため、スムーズに進めていくには、いくつかの配慮・気遣いが必要になってきます。

電話応対3つのポイント

電話応対のポイントは、①声、そして②テンポ(速さ)、③平易な(わかりやすい)言葉、が大事だと思います。

①声

電話で聴き取りやすい声というのがあります。音階で言うと「ソ」~「ラ」の音が聴き取りやすいといわれています。あまり低い声でも、高い声でも聴き取りにくいそうです。・・・とはいえ、なかなか音階で・・・というのも難しいものです。そういう場合は通常よりも、高めのトーンを意識してみましょう。日常的に聞き返される場合が多い方や、声が通らない方は、響きにくい方なのかもしれません。
そのような方は、2トーンくらい上げて話をするように意識してみましょう。

②テンポ

電話では、「声」と「言葉」だけのコミュニケーションになります。言葉ははっきりと、ゆっくりと話をします。一般的にアナウンサーの方は、1分間に300文字を目安に原稿を読むトレーニングをしているそうです。伝えることのプロであるアナウンサーであっても、1分間に300文字を意識されていますが、素人である私たちは、もう少しゆっくりでもいいかもしれません。
一度皆さんも文章を読んで、時間を計ってみるといいですね。
思った以上に早口で話をしていることに気が付かれるのではないかと思います。

それと同時に、相手のテンポに合わせていくということも大事なことかもしれません。
若い方と、ご高齢の方では、話をするテンポも、聴き取れるテンポも違います。電話口で相手の方が話をされるテンポを聴き取り、自分自身の話をする速さを調整できるくらいのゆとりが持てるといいですね。

③平易な言葉

電話の場合、視覚に頼ることが出来ませんから、あなた自身の声と言葉だけが頼りです。できるだけ短いセンテンスではっきりと発音するように意識しましょう。専門用語は避け、できるだけ平易な言葉に置き換えることも大事になります。

また、平易な言葉を使うとともに、文章は短めに、「短文」を意識されるといいと思います。接続詞をたくさん使って長い文章で話をしていくと、何を言っているのか、途中でわからなくなる・・・なんてことにもなりかねません。

電話をかけるときのルール

電話をかける前には、要件を整理しておきましょう。必要な資料を手元に置き、聞き間違いや難しい専門用語などは、言い換えの準備をしておくことも大事になります。

例えば、
1(いち)と7(しち)、4日(よっか)と8日(ようか)、院長(いんちょう)と委員長(いいんちょう)と医長(いちょう)、師長(しちょう)など・・・ありますね。

私は名字が「長(ちょう)」と言いますが、以前「師長」や「院長」宛の電話が回ってきたことがあります。相手の方に伝えるときにも、「師長の○○様」や「院長の○○先生」など、はっきり相手に伝わる言い方が大事ですね。

また、「今、○○の件で、〇分ほどお時間いただいてもよろしいでしょうか?」と相手の都合を確認することも忘れないようにしましょう。いきなり用件を話始められると、相手様にとっては、土足で踏み込まれるような不快感を感じる場面もあります。気を付けていきましょうね。

電話を受けるときのルール

電話を受けるときの方が緊張するわ~~といわれる方も多いのではないでしょうか?
どんな内容の電話が、誰からかかってくるかもわかりません。
いつでも対応できるように、電話機のそばにはメモを準備しておきましょう。

電話のベルが鳴ったら、3コール以内に出るようにしましょう。

「おはようございます。○○クリニックの○○でございます。」と答えます。この時に「もしもし」は言いません。
そして、相手の名前を確認します。お名前が聴き取れない場合は、「恐れ入りますが、もう一度お名前をお聞かせ願えますか?」と必ず確認しましょう。
取次や確認のために保留にする場合は、相手の方を長くお待たせしないようにします。すぐに対応ができない場合は、折り返しにするのも一つの手です。

まとめ

電話は日常的にもよく利用していますが、私自身はかけるのはとても躊躇します。
相手の方がどんな状態かがわからないからです。今何をされているのかわからない、忙しかったら・・・と思うと、とてもかけられなくなります。

逆に、相手のことがわからないから、いいといわれる方もあり、びっくりします。
その方は、相手の都合がよい時間にかけ直せばよい、と割り切っておられますが、あまり考え過ぎず、都合が悪ければかけ直すくらいのゆとりをもって電話したいものですね。

今回は電話応対の基本的なルールを見てきました。次回は具体的な事例をもとに、どのような留意点があるのか、見ていきたいと思います。

2023年9月11日

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