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毎年この時期の映画界は、前年公開された映画のベストテン選出や賞の発表等が様々行われていますが、それに倣って私も昨年2023年を振り返り、マイベストテンをあくまで独断と偏見で選んでみました。

（※原則として昨年福岡県で劇場初公開された作品を対象とします。）

まずは日本映画。①PERFECT DAYS②正欲 ③怪物 ④市子 ⑤少女は卒業しない ⑥ロストケア⑦そして僕は途方に暮れる⑧エゴイスト⑨月⑩波紋 　　

（総評）「多様性」について考えされる作品が多かったように感じました。②③⑥⑨は、あえて物語や人物に善悪等の判断を安易に決めつけない事で、観客の価値観が試され、逆に「どう考えますか」と問われているかのよう。よって観る側の人生観によって作品の評価も変わるかも。①は殆ど変わらないけれど、昨日とは微妙に異なる日々を過ごす主人公の、虚飾を削ぎ落したような質素な日常の繰り返しを淡々と描きながら、不思議なほど豊潤な世界観。これも生き方としての「多様性」が問われているのかもしれません。

外国映画。① 生きる LIVING②AIR/エア③イニシェリン島の精霊 ④キラーズ・オブ・フラワームーン ⑤FALL/フォール⑥ザ・ホエール ⑦母の聖戦⑧マイ・エレメント ⑨ウォンカとチョコレート工場のはじまり⑩モリコーネ 映画が恋した音楽家　　

(総評)。①黒澤明監督の名作をイギリスに舞台を移すことで、外見だけでなく、内面も真の英国紳士として目覚めて「生きる」主人公としたアレンジに感心。③男同士の友情の崩壊とその後の対立と確執が戦争とリンクするという視点が興味深い。アイルランド内戦の事情に詳しければより深く考察できるかも。⑤自分は高所恐怖症ではないと思ってましたが、この作品で初めて高い場所が恐ろしいと感じました。⑩不世出の映画音楽家の追悼の意も込めて、合掌。