相続と贈与について

株式会社佐々木総研

税務・会計

お持ちの財産を次の世代に受け継ぎたいとき、相続まで待つのか、生前に譲渡や贈与をする
のか、検討なさる方が多いと思います。
このうち「相続」と「生前贈与」には、「税務上」それぞれどんな特徴があるのか、どんな
違いがあるのか考えていきたいと思います。

相続と生前贈与の違いとは?

まず、「相続」とは人が死亡したときに、その人の財産を特定の人が引き継ぐことをいいま
す。
次に、「贈与」とは、自己の財産を無償で相手に贈るという意思を示し、相手が受諾するこ
とによって成立する、契約の一種です。
つまり、財産を譲るという点は同じですが、その発生原因が異なっています。


生前贈与の税務上のメリット・デメリット

相続は自分が亡くならないと発生しませんが、生前贈与なら自分が生きている間に確実に
相手に財産を渡すことができます。

生前贈与を行う税務上のメリットとしてよく挙げられているのが、

・タイミングを自由に選択できる
・相続税の軽減効果を狙える
・住宅取得資金や教育資金一括贈与特例などが使える
・収益物件(例えば賃貸アパートなど)を次の世代に早めに移転できる
などです。

「贈与」であれば、住宅購入や子どもの進学など、必要なタイミングで援助をすることがで
きます。
また、直系卑属への住宅取得の資金や教育資金の贈与には特例が設けられており、一定の要
件を満たす場合には限度額までの贈与税が非課税となる場合があります。

デメリットとしては、

・双方が合意していなければ成り立たない
・贈与税がかかる
・特に不動産の場合には贈与税以外の税金がかかるケースが多い
・相続発生3年から7年以内の贈与には相続税がかかる
などが挙げられます。

贈与者が一人で贈与すると決めて財産を渡しても、受贈者が「贈与を受けない」といえば成
り立たちません。
例えば受贈者名義の通帳を預かって、合意なくお金を振り込んでいるケースなどは、双方の
合意がないことから生前贈与であると認められないことになります。

生前贈与には暦年課税と相続時精算課税という二つの課税方式が用意されていますが、ど
ちらにも控除額が設定されているため一定額までは贈与税がかかりません。しかし、控除額
を超える場合には贈与税が発生することになります。

一般的なのは暦年課税で、1 月1 日から12 月31 日までの一年間に贈与された総額から、
110 万円の基礎控除を受けることができます。つまり、年間110 万円までの贈与ならば贈与
税の支払いをせずに済みますが、これを超えると贈与税がかかることになります。

もう一つの相続時精算課税制度は、原則として60 歳以上の父母または祖父母などから18
歳以上の子または孫などに対し贈与した場合に選択できる贈与税の制度です。2500 万円の
特別控除があり、受け取った額のうち2500 万円を超えた部分に一律20%の贈与税が課税
されます。

贈与税以外にも税金がかかる?

不動産の贈与の場合、贈与を受ける人は不動産の名義を変えることになり、新たに不動産を
所有することになります。

これに伴い発生するのが、不動産の名義変更手続きと登録免許税・不動産取得税です。贈与
で取得した場合、登録免許税は不動産評価額の2%、不動産取得税は3~4%かかります。
ちなみに相続で取得した場合は、登録免許税は不動産評価額の0.4%、不動産取得税は課税
されません。

また、死亡日以前3 年間に贈与した財産は、年110 万円以下の基礎控除の範囲内でも、相
続の際、相続財産に持ち戻すことになっています(なお、この持ち戻しの期間が段階的に今
後7 年に延長されることが決定しています)。

税務上、贈与と相続にはそれぞれメリットもありますが、タイミングや内容によってその利
点を活かせないこともあります。それぞれの状況や資産の全体像と比較して、検討していた
だければと思います。

令和5年4月21日

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