在宅自己注射指導管理料

長 幸美

医業経営支援

在宅自己注射指導管理料は、多くの方が「糖尿病でインスリンを自分で注射する 」ということを考えられると思います。しかし、その他にもリウマチや多発性硬化症、慢性C型肝炎等、 様々な薬剤による治療に使われています。今回はその内容を少し整理してみましょう。

「1、複雑な場合」については、間歇注入シリンジポンプを用いて在宅自己注射を行っている患者について、診察を行った上で、ポンプの状態、投与量等について確認・調整等を行った場合に算定する。
導入期初期加算(580点)
・初回指導日の属する月から3月以内に当該指導管理を行った場合に加算
・処方内容変更の場合は1回を限度に加算できる
バイオ後続品導入初期加算(150点)
・患者に対しバイオ後続品 に関する説明を行い、バイオ後続品 を処方した場合に加算
情報通信機器を用いて行った場合(届)・・・上記表(※)
・つまりオンライン診療により指導管理を行った場合に該当します。
・ 1又は2のイ若しくはロの所定点数に代えて、それぞれ1,070点又は  566点若しくは653点を算定

■使用できる注射薬
告示により、使用できる注射薬が指定されています。点数表の告示の中にどのような製剤が該当するかが記載されています。ここですべてを説明することはできませんが、「自己注射」を始めるというときには、必ず確認するようにしましょう。

<告示4_特掲診療料の施設基準等_第4在宅医療 6>
別表第九
在宅自己注射指導管理料、間歇注入シリンジポンプ加算、持続血糖測定器加算及び注入器用注射針加算に規定する注射薬

■自己注射を行うときに必要な材料等
在宅自己注射を行うために必要なものは、注射の薬剤の他、注射器や針、消毒用のアルコール綿などがあります。これらの材料については、「加算」というカタチで算定ができます。
但し、院外処方せんにおいて調剤薬局から支給される場合は医療機関では算定ができません。
<C150 血糖自己測定器>
自己血糖を測定するための測定器( 血糖測定用針、試験紙、等を含む)を処方した場合にのみ算定可能
<C151 注入器>
自己注射を行うための専用の注射器を支給した場合のみ算定可能
<C152 間歇注入シリンジポンプ>
間歇的・自動的に注入するもの、プログラム付きシリンジポンプとそれ以外の場合がある。
<C152-2 持続血糖測定器>
上記間歇注入シリンジポンプと連動する場合と連動しない場合がある
<C153注入器用注射針>
針付一体型の注射薬を使用した場合や針無し圧力注射器を使用した場合は算定できない。
<C161 注入ポンプ>
精密持続注射を行う場合のポンプ

最近のインスリンの自己注射の場合ですと、薬剤と注射器一体型のものが多いのではないかと思います。一覧表を作り、整理しておかれるといいでしょう。
また、その他アルコール綿など注射に必要な衛生材料がありますが、これらは指導管理料の中に含まれていますので、必要量の支給をしなければなりません。

■最後に・・・
先日質問があった内容をご紹介しましょう。
在宅自己注射導入前の2型糖尿病の方に、自己血糖測定器を処方したいのですが、どのように算定したらいいでしょうか? 「C150自己血糖測定器」を算定したところ「A適応外」で査定されました。・・・という内容です。皆さんはどのように算定されますでしょうか?

確かに、インスリンを導入する前の方にも在宅で血糖測定を指導される場合はあると思います。このような場合、この「C150」は指導料の材料の加算というカタチになるため、指導管理料の算定がないため、査定(減点)されることになります。
B001-3生活習慣病管理料の「3糖尿病を主病とする場合」の算定を検討されては如何でしょうか?年に1回のみですが、「血糖自己測定指導加算(500点)」の加算がありますので、活用されるのも一つの手ではないかと思います。

<参考資料>
〇医学通信社「診療報酬点数早見表 令和4年度4月版」
在宅療養指導管理料 C101 在宅自己注射指導管理料 より

2023年3月15日
医業コンサル課 長幸美

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