相次ぐ自然災害~あなたの火災保険は万全ですか~
第1回「火災保険どこまで入る?」

渭川 あかり

リスクマネジメント

世界でも自然災害が多い国として知られる日本。
ニュースを見ながら「最近自然災害が多いなぁ」と感じる方は多いのではないでしょうか。
台風、大雨、大雪…最近は南海トラフ地震がいつ発生するのかなども囁かれています。

損害があった際には修理が必要、修理するにはお金が必要です。
少額ならまだ良いのですが、数百万円、数千万円というお金が必要になったら…経済的に打撃を受けることは間違いありません。

そういう事態に備えて、加入するのが「火災保険」です。

このコラムでは数回に分けて、自然災害に係る保険内容についてひも解いていきます。
第1回目は基礎編として、評価額と保険金額についてお伝えしていきたいと思います。

■評価額(※再取得価額)
同等の物件を新しく建てたり、動産を新品の価額で購入する時にかかる金額

■保険金額
事故が発生した際に、保険会社が支払う保険金の限度額

上記の2点は火災保険の契約をする際に、極めて重要になってくる金額です。
例えば、Aさんが3000万円で物件を購入したとします。保険金額をいくらに設定するかで支払われる金額が変わってきますので、ケースごとに見ていきましょう。

【ケース①】評価額:3000万円 保険金額:1500万円
Aさんは3000万円で物件を購入しましたが、「3000万円もの被害はないだろうし、満額かけるのは掛金が高い」と1500万円で契約を結びました。
台風の被害で修理に100万円がかかりましたが、いくら保険金が支払われるでしょうか?
正解は50万円です。
建物の評価額に対して、50%しか保険に入っていないとみなされ、実際に被害にあった時には請求金額の50%のお支払となってしまいます。
災害に備えて、せっかく保険をかけたのに、思うように保険金が出ない…少し空しい気持ちになってしまいます。
(※商品によっては、加入割合を考慮しないものもあります。)

【ケース②】評価額:3000万円 保険金額:4500万
ケース①で思うように保険金が支払われなかったAさん。「加入割合に応じて支払金額が変わるなら、保険金額を大きく設定すれば、もっともらえるのでは?」と考えました。
またしても台風の被害で100万円かかりましたが、支払われる保険金はいくらでしょうか?
正解は100万円です。
「加入割合によると1.5倍の保険金が支払われるのでは?」と考えてしまいますが、評価額を超過した分については保険金が支払われません。
よって、もし全部壊れた場合でも、支払われる保険金は3000万円が限度となるのです。

【ケース③】評価額:3000万円 保険金額:3000万円
最後にAさんは評価額と保険金額を揃えて加入することにしました。
三度目の台風で100万円の被害に遭いました。今回支払われる保険金は……
100万円です。
請求金額に応じた保険金額が支払われました。

このように建物の評価額に見合った保険金額で加入することが肝要となってくるのです。
評価額は、建物の価額がわかれば一番いいのですが、構造・面積・所在地で簡易的に計算することも可能です。

第2回は「火災リスク」について綴ってまいります。
次回もお付き合い頂ければ幸甚です。

2023年3月27日
ライフプラン・リスクマネジメント課 清木あかり

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