【医療介護あれこれ】在宅医療「訪問リハビリの基礎」
長 幸美
アドバイザリー疾患別リハビリテーションで「標準リハビリ日数が切れた後、どのようにされているでしょうか?病名の付け替え?それとも介護保険?
在宅での生活を支えていく中で、「リハビリテーション」の重要性を、今回「訪問リハビリテーション」の視点で、考えてみたいと思います。
【訪問リハビリテーションとは・・・】
通院困難なために、外来リハビリテーションを受けることが困難な在宅療養患者に対して、リハビリテーションの専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が利用者の自宅を訪問して行うリハビリ訓練・指導のことです。
提供施設は、病院、診療所、介護老人保健施設です。
心身の機能の維持・回復、日常生活の自立を支援、また、介護する家族へのアドバイス・相談も行います。
訪問看護ステーションで「理学療法士等」が行うリハビリは「理学療法士等が行う訪問看護」という立て付けになっています。
通所リハビリテーションと同様に考えられがちですが、大きな違いは、実際の生活環境の中で訓練ができること、生活の中でどのような動作が必要なのか、具体的に訓練できること、また、通院のストレスがないことがメリットといえるでしょう。
【対象者】
通院が困難な在宅等での療養者となります。
要介護認定者については介護保険が優先されますが、認定を受けていない場合は、医療保険でリハビリテーションを行います。
【提供主体の差による違い】
提供主体は医療機関の場合と訪問看護ステーションの場合があります。
提供する提供者により、報酬算定が変わってきます。
【医療機関の訪問リハビリテーションは?】
介護保険の認定を受けている方は、介護保険が優先されるルールがあります。
しかしながら、「末期の悪性腫瘍患者」「退院日から起算して3月以内の患者」「急性増悪期」には例外的に医療保険が適用されます。
急性増悪の要件としては、2点あります。
① 1か月間にバーセル指数又はFIMが5点以上悪化し、一時的に頻回な訪問リハビリが必要な患者であること
② 6か月に1回に限り、診療を行った日から14日以内の期間(14日限度、1日4単位)
ただし、施設への訪問リハビリは注意が必要です。算定要件をよく確認してください。
【訪問リハビリの流れ】
訪問リハビリは医師の指示が必要です。自院の医師からの指示の場合、問題がありませんが、他院の場合はどうしたらいいのでしょうか?
他院の先生から「診療情報提供書」により指示を出すことができます。しかしながら、リハビリ計画を策定するための診療をするかしないか、で算定が変わってきますので、注意が必要です。
【訪問看護ステーションのリハビリは、訪問リハビリとは違う?】
訪問看護ステーションの場合、「リハビリ専門職が行う訪問看護」という立て付けになっています。このため、全身状態が見れないリハビリ専門職の場合は、訪問看護師の訪問看護と組み合わせることが必要になってきます。
同意書や重要事項説明書の中で、リハビリ専門職が訪問看護を行うということを説明する必要があります。
さて、皆さん、如何でしょうか?
訪問看護ステーションのリハビリについて、中医協でも議論が行われています。
地域の方々の生活を支えていくためには、「介護保険はわからない」というわけにはいきません。
仕組みを理解しつつ、適切に医療保険・介護保険のそれぞれのサービスが洗濯できるようにしていかねばなりません。良い機会ですので、ぜひ見直してみましょう。
医業コンサル課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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