【医療介護あれこれ】接遇レッスン「チームワーク」

長 幸美

アドバイザリー

このコラムの中で、幾度か、コミュニケーションについてお話を進めてきました。
コミュニケーションエラーは、発信側・受信側ともに問題となる場合がある、という記事を覚えておいでの方もいらっしゃるでしょうか?!

※2021.11.25 接遇レッスン「接遇と医療の安心・安全」を合わせてお読みください。

医療を行うのは、先生おひとりですべてを完結することはできません。
また、無資格の事務職員であっても、医療職としての役割があります。今回は、「一つのTeam」として、どのような心掛けが必要かということを考えてみましょう。

■チームワークとは?
同じ集団に属しているメンバーが同じ目標を達成するために行う共同作業や協力体制などを意味します。人は得手・不得手があります。お互い不得手なことを補完し合って一つのことを成し遂げます。

この時のチームとは、組織行動学においては、集団であるだけではなく、所属している一人ひとりがもつスキルや経験を活用し、一人では達成できない目的を、一貫した方向性の元、共同体として活動することにより、より大きな効果を生み出すことができます。

似た言葉で、グループがあります。一番大きな違いは、目的のために集まった単なる集団です。一人一人の成果を合計したものが、グループの成果となります。

■同じ方向を向くこと
今年ヤクルトスワローズが日本一になりました。2年連続の最下位から一気に優勝へと駆け上がった怒涛の逆転劇には、ものすごいパワーを感じましたね。

この時の監督がかけた言葉が、「絶対大丈夫!絶対いけるから!絶対大丈夫!」という言葉だったといいます。魔法の言葉として、マスコミにも取り上げられていますが、この真意が素晴らしいと思いました。
「自分を信じて、チームメートを信じて、このチームが一つになって戦おう!」
つまり、これまでの練習や、一人ひとりのポテンシャルを信じて、同じ目標に向かって一緒に戦おう!ということですね。ラグビーでは「ワンチーム」というところでしょうか。

■医療現場では?
医療機関に置き換えてみると・・・どうでしょうか?
医療法人の目的は、「病院、医師もしくは歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設を開設することを目的といて、医療法の規定に基づき設立される法人」とされています。医療法人の本来業務は「医療を提供すること」です。

急性期であれ、慢性期であれ、在宅医療であれ、「病気を治すこと」「生活を支援すること」とその役割は多少違いがありますが、いずれにせよ、医師一人でできるものではなく、その方にかかわる様々な方々が一つのチームとなり、情報を共有し、力を合わせて初めて支えていくことができるものだと思います。

■相手を尊重する
専門職の方はそれぞれに専門的な知識を持ち、経験をもっておられます。それと同時に、「私(自分)」が得意とすること、「私(自分)」にはできないことや苦手なこともあります。例えば、看護師の方でも、注射が得意な方と、苦手な方。事務職員でも、集計やデータ加工が得意な方と、文書作成が得意な方、いらっしゃいますよね。
多職種間でも同じです。同じクリニックの中でも考えてみてください。
先生(医師)、看護師、医療専門職、事務職員、それぞれに役割がありますし、一人一人が、すべて同じようにできることはなく、得手不得手があります。「チーム」であれば、それぞれ得意分野を発揮することができるようになります。「得意分野」を「専門性」と読み替えてもいいと思います。自分にはできないことを実施できると考えると、自然とリスペクトすることもできるのではないでしょうか?

皆さんの医療機関では如何でしょうか?
医療機関の中を見直すきっかけになるとうれしいです。

医業コンサル課

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