コラム de スタディ

2021.09.27.NEW
【医療介護あれこれ】接遇レッスン「接遇を考える第一歩」

先生方から接遇研修のご依頼があった時に、どんな目的で実施したいと思ったのか、その背景をしっかりとお聞きするようにしています。
「接遇研修なんて、何処でやっても一緒でしょう」
「丁寧な言葉遣いや基本動作を教えてもらえればそれでいいよ」
・・・という声を時々お聞きしますが、さて、本当にそれでいいのでしょうか?

■医療機関の特性
医療機関には多種多様な方が、様々な目的でお越しになります。
・体の不調を抱えて不安な方、
・検査等を控えて恐怖感を感じておられる方、
・嫌いな注射を受けに来られた方、
・忙しい中に定期処方を受け取りに来られた方、
・お薬会社の営業の方、納品の方
・利用者の生活面で主治医に相談に来られた方、
・入院されている方のお見舞いや、ご家族さま、 ・・・etc.

こういった多種多様な方々に一様な対応をしていて、果たして満足がいく接遇になるでしょうか?

■丁寧なのに、気に障る
銀行の電話対応やデパート、コールセンターの対応等で、正しい敬語を使用し、丁寧なんだけれど、何となく大切にされていないような、機械相手で話をしているような・・・そんな違和感はありませんか?
丁寧な言い回しが、何となく気に障る・・・
敬語を正しく使っても、相手の反応が良くない、話が通じない・・・
こんな経験を持たれた方もいらっしゃるのではないかと思います。

これはどうしてなのでしょうか?

実は、接遇研修を行った時に、敬語への言い換えなどは、かなりの方ができているものなのです。小学校から、「敬語」の使い方については、毎年カリキュラムの中にありますし、それなりに皆さん学習されていて、ご存知の方が多いのが現状です。
しかし、院内の方々への評価の中で、「言葉遣いが良くない」「敬語が使えない」という評価は多く、弊社へのご相談のお声も多くいただいています。
敬語は理解しているし、使えているにも関わらず、なぜ、このような「言葉遣いが良くない」「敬語が使えない」という評価になるのでしょうか?

■マインド(心)がこもっていない応対は、機械以下
接遇とは、相手の方ひとり一人を大切にして、心地よく快適な空間を提供する技術です。
似た言葉に「接客」という言葉があります。これは、どちらかというと、「マニュアル通りに、機械的にどのお客さまにも感じをよく一定の品質で対応するチカラ」という風に言い換えることができ、この接客にマインド(心)をのせて接する技術が接遇ではないかと思っています。
東京オリンピック誘致のときの、「お・も・て・な・し」のスピーチは印象的でしたが、選手を始め、関係者等へおもてなしの心で迎え入れ、大会運営をしていきたい、という思いが込められていましたね。東京招致は、このマインドを体験したいという期待感が大きかったのではないかと思っています。

一時期もてはやされたマクドナルドの接客方法、某接遇講師の徹底的な型を重視する研修方法・・・いつも同じに出来る、ということは、「接客」の上では大事なことですが、十人十色、様々な思いを持った方々へ寄り添うことは、もう一歩先・・・事業者側の想いが伝わっているかどうかではないかと思います。

■医療接遇の難しさ
では皆さんの医療機関での対応、患者さまへの対応、職員間の言葉遣いなどを見て、どのような場面で「できていない」とお感じになるでしょうか?
少し考えてみてください。

「保険証を忘れた」という1点に着目しても、その背景には様々な事情があると思います。
・うっかり忘れてきた方、
・来院途中に気が付いて、どうしよう・・・と不安になっている方、
・転職し手続き中で間に合わなかった方、
・顔パスを要求してくる、困った方、
・保険証が切れているのをわかっていて、大きな声を出している方、 ・・・etc.

保険診療上のルールは説明して確認しなければなりませんが、皆さんの説明がその方の背景を考慮したものになっているでしょうか?
「確認しないといけないんです」「ルール(法律)ですから!」 と言い放っていませんか?

医療接遇の難しさは、接遇の良しあしが、患者さんの治療するモチベーションを左右することにあると思います。少々大げさな言い方かもしれませんが、
・あの先生は優秀で診察してもらいたいと思っているけれど、ついている看護師さんが怖いなあ・・・
・腕がいい先生で有名だけれど、相談に応じてくれない
・あ、また保険証を忘れてきたから、受付の人に文句言われるなあ・・・
となると、足が遠のいてしまう原因にもなります。
反面、
・クリニックの受付の人を見ていると、なんだか元気がもらえる。
・月に1回あなたの顔を見に来るのが楽しみだよ・・・
といわれることもあり、継続治療の一助になっていることも明らかだと思います。

■トラブルになる場合の傾向
これがすべてではないと思いますが、トラブルになるときには一方的な画一的な説明を繰り返している場合が多いように感じています。
理屈ではないんです、「うちの病院はこういうルールですから・・・」といわれてしまうと、逆切れされたり、「なんだその言い方は!!」と矛先が変わったり・・・
また、窓口が立て込んでいる場合など、同じ説明をしていても、口調が早くなり、きつく言い放つような言い方になる場合なども、クレームに発展する場合が多いですね。

■忙しい時こそ一息ついて
私も経験がありますが、忙しい時ほど、「早く、早く・・・」と気が急いてしまい、相手の方の様子を感じられなくなってしまいます。自分のやるべきことに精いっぱいになってしまい、周りが見えなくなってしまうのですね。
こんな時は要注意!ちょっとお水を飲んだり、深呼吸したり、お互いに声をかけたり、して平常心を取り戻しましょう。

また、接遇研修の意義は、医療機関としてのマインドを確認し合う場としても、大事な研修だと思います。トラブルが起こってからでは遅いのです。

接遇研修を実施して、気付きのきっかけを作ってみませんか?
日ごろから、気持ちのいい空間を作るため医療機関の理念を実現するために、私たち自身の行動を考えていきましょう!

医業コンサル課

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