【令和3年度介護報酬改定】令和3年度介護報酬改定の方向性について

長 幸美

アドバイザリー

令和3年度介護報酬改定に向けて、審議も第2ラウンド終盤に来ているようです。
惑星直列といわれた平成30年度診療報酬・介護報酬の同時改定において、診療側から介護側からかなりの見直しが入り、それと同時に医療介護の整合性が取れていて、地域医療構想を強力に後押ししたいという国の考えが大きく反映されている内容でした。
今年の診療報酬改定についてはマイナー改定といわれていましたが、前回改定に加えさらに機能分化、連携、在宅医療について、明確化されている印象を持っています。

では、次回改定については、どのような形で進んでいくのでしょうか?
社会保障審議会介護給付費分科会における審議内容を基に、整理してみましょう。

最初に、現在の介護保険を取り巻く状況をまず把握しておきましょう。

【人口問題】
今後の介護保険を取り巻く状況としては、全体人口は減少していくなか、75歳以上の高齢者の占める割合は増加していくことが想定されています。都市部と地方では大きく変わっていますし、コロナ禍の対応においては、さらに厳しさを増していると思います。

総人口の推移
(出典:令和3年度介護報酬改定に向けて(地域包括ケアシステムの推進)より)

この図はよく見る図ではありますが、今後人口の構造自体が大きく変化していくことを表していると思います。つまり、2025年以降「高齢者の急増」から「現役世代の急減」に局面が変化していく、それにより、少ない働き手で地域の高齢者を支えていく・・・・高齢者だけではなく、地域を支えていくことになります。これは経済的にも同様です。
介護事業所は、介護スタッフをはじめとする人材が、効率よく働けることや、働き方改革等で、業務分担・役割、その方の自立支援のために役立つ介護サービスを提供できているか、ということが重要になると思いますし、経済的に見ていくと、本当に必要な介護サービスに介護保険をはじめとする財源が使われているか、ということも考えていかないといけません。

また、2024年に向けて「働き方改革」による勤務時間・・・特に残業時間の制限の考え方が入ってきていることも、眼をそらすことはできない状況になってきています。
この時間的制約の中で、地域の生活を支えていくためには、単独の事業所では難しい状況もあるでしょうし、本人や家族が地域の中で生活を行うために必要な支援ということを考え直さないといけない状況にあるのではないかと思います。

来年3月に向けて、今できることは、皆さんの地域における介護サービス提供に対するポリシーをもう一度見直し、利用者にとって、地域にとって必要なサービス提供が何か、ということを考えることではないでしょうか。

医業経営支援課

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