【令和2年度診療報酬改定】入退院支援加算について

長 幸美

アドバイザリー

入退院支援加算は、患者が安心・納得して退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続できるように、施設間の連携を推進した上で、入院早期より退院困難な要因を有する 患者を抽出し、退院・在宅復帰に向けて支援することを評価したものです。

前回の平成30年診療報酬改定において、この「在宅への早期退院を目指す支援」は、「入院前の生活環境や生活者(患者)の想いや加療状況の確認から始めることが大事であることが評価され、「入院時支援加算 200点」が付きました。これにより、在宅から外来、外来から入院への流れを見直された医療機関も多かったと思います。
今回さらに、評価が見直されましたので整理していきましょう。

「入退院支援」にかかる変更点は、3点あります。
1点目は、「入院時支援加算」について、入院前の支援の状況により、2つに分かれたこと
2点目は、「総合機能評価加算」が入退院支援に組み込まれたこと
3点目は、人員配置の「常勤専従」の考え方が「常勤換算」「専任」で可能となったこと

入退院支援の取り組みの推進(出典:厚労省「令和2年度診療報酬改定の概要」より

【入院時支援加算】
入院前から在宅復帰に向けた取り組みを評価されている「入院時支援加算」は、上記図のア~クまですべてを実施する場合の評価として、「入退院支援加算1 230点」が新設されました。これまで行われていたものは、「入院時支援加算2 200点」となります。
上記厚労省の説明会資料でもあります通り「外来にて情報を収集し、入院カンファレンス等により、病棟に申し送る」ということが必要になってきます。

【総合機能評価加算】
介護保険サービス給付対象者の総合的な機能評価を行い、その結果を踏まえて支援を行った場合の評価として、新たに入退院支援加算の中に組み込まれました。
「総合的な機能評価」とは、「基本的な日常生活能力」「認知機能」「意欲」等について、支障がないかどうかを評価します。
したがって、入退院支援加算1及び2が対象となります。
この新たな加算の設定のより、同様の内容である「A240 総合評価加算」は削除されました。

【人員配置基準】
これは、「常勤配置と専従要件」のところでもお話をしましたが、「働き方改革」の意向が強く含まれています。「入退院支援加算」にかかわるものは、2点あります。
入他院支援加算1~3、及び入院時支援加算の施設基準において、専従の非常勤の看護師又は社会福祉士のカウントが、「週3日以上、22時間以上勤務者」2名以上の「常勤換算」でよくなりました。
入他院支援加算3の看護師の配置要件において、「専従の看護師」が「小児患者の在宅移行に関する研修を修了した専任の看護師」に変更されました。

なお、対象患者や計画に盛り込む内容など、詳細は告示・通知等をご確認ください。

<参考資料>
◆厚労省:令和2年度診療報酬改定説明会資料等について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00001.html

◆厚労省:令和2年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html
※告示、通知、疑義解釈、等をご覧ください。

医業経営支援課

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