【医療介護あれこれ】介護療養病棟の行方を探る!!

長 幸美

アドバイザリー

1梅の花が一輪また一輪と咲き始めましたね。皆さんの地域は如何でしょうか?
先日訪れた宮崎県では、梅の花とともに、緋寒桜が満開を迎えていました。春はすぐそこまで来ているようです。

 

さて、来年の診療報酬・介護保険の同時改正に向けて、どのように動いていくものか、動向が気になるところですが、第193回国会(常会)で様々な審議が行われている中の一つに「介護保険法等の改正」があります。平成30年4月1日から施行予定の介護保険法等の改正について、厚労省から法案の内容が公開されておりましたので、今後の動向を探る意味でも、少し考えてみたいと思います。

地域包括ケアシステムを有効かつ強固なものにするためには、下記スライドにもあるように、地域の中で、本来の自立支援や重度化防止に向けた取り組みを市町村の支援事業として行うことが必要だろうと考えられています。
また、その中では、医療保険・介護保険相互の連携に関する方向性が出され、医療介護だけではなく、社会福祉法・障害者総合支援法・児童福祉法も含めて、地域の中で共生することができる社会の実現に向けて取り組みをしていくことが明らかになっています。
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出典:第193回国会資料
「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案のポイント」より

1月25日の中医協でも、入院医療(その1)が出され、現状の把握・整理が行われています。最後に資料をつけておりますので、必要な方はご覧ください。

療養型病床は、平成4年の第2次医療法改正において病院の「その他の病床」に「療養型病床群」として類型化され、平成9年 第3次医療法改正では診療所にも認められるようになりました。その後、平成12年4月に介護保険法が施行され、介護保険施設の一つとして介護療養型医療施設が位置付けられたことは皆様周知のことと思います。
平成18年の医療制度改革において、大幅に再編されることが決まりました。そのときに、介護療養型医療施設を廃止し、医療法では25対1(6対1)の看護基準をなくすことが決められましたが、その経過措置が幾度となく延期されてきました。いま現在も経過措置期間中ではありますが、昨年、新類型として、転換型の3施設が提示され、現在どのように施設へ移行していくのか、議論されているところでございます。新たな施設は「介護医療院」と呼ばれることも決まってきました。あとは介護保険改正の審議会の中でどのような点数配分がつくのかが注目のしどころだと思います。
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出典:第193回国会資料

「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案のポイント」より

今回の国会の議論は、これら「地域包括ケアシステム」を実現するための運用に必要な法の整備を行うことだと認識しています。
この中に介護療養病床の経過措置期間については6年間延長することと記載されています。「なあんだ!やっぱり病床として残るのだ!」と安心されている方も多いと存じますが、悠長にしている時間はないと思います。これは新類型へ移行するにあたって必要な準備期間だと認識をされ、これからどちらの方向に向いていくのか、院内のコンセンサスを取っていく時期だと思います。

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出典:診療報酬改正説明会資料より

病院の介護病床をどうされますか?
介護病床だけではなく、病床編成をどうされますか?
3年後、5年後どのような病院になっていたいですか?

是非 今後の医療提供体制や介護提供体制等を検討し、今から準備を進めていきましょう!

 

<参考資料>
〇「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」
(平成29年2月7日老健局より提出された案)
第193回 国会(常会)提出資料
「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案のポイント」

「入院医療(その1)」中医協資料20170125

経営支援課

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