コラム de スタディ

2020.06.03.
社労士モリも映画あれこれ~「37セカンズ」(2020年・日本)~

コロナ禍は映画業界でも大きな影響を与え、現在でも新作が満足に劇場公開できない状況が続いています。そんな中、今年を少し振り返って上半期に新作公開された作品の中で現在最も印象に残っている1本を挙げてみました。

生まれた時に37秒間呼吸が出来なかった原因で、手足が自由に動かせなくなり、車いす生活を送る23歳の女性が主人公。過剰なまでに過保護な母親と2人暮らしで、漫画家のゴーストライターという職業にも就いているのですが、家庭からも仕事からも新たに自立しようとする姿が描かれていきます。

※以下、多少ネタバレがあります。
まずは冒頭の親子のシーンから少々ドキリとしました。詳細には触れませんが、このシーンがある意味この映画における作り手の「覚悟」を感じました。しかも主人公を演じるのは役者経験のない実際に脳性麻痺を抱える女性を配し、その主人公の自立への通過儀礼の窓口を「性愛」としたところに更に作り手の「勇気」を感じます。
それに応えるかの如く主人公を演じた佳山明(かやまめい)が素晴らしく、リアルで重苦しいシーンもありますが、彼女の存在感がその暗さを払拭し、むしろ清々しい印象を与えています。当初はプロの俳優の起用を検討したそうですが、オーディションで選ばれた彼女のリアリティに賭けた英断は大成功と言えるでしょう。支える脇役陣も実に味わいがあり、演技初経験の彼女の魅力を引き立てることに成功しています。
そして前半の物語展開から、自らの存在の探求と変調していく後半は、賛否が分かれるかもしれませんが、そこで自己を肯定することにより、自立と成長のテーマを更に際立たせることになる語り口を含めて、この作品が長編デビューであるHIRAKI監督の才能を強く感じます。前向きな明るさと希望に満ちたラストは、不覚にも私の涙腺が…、秀作です。

労務コンサル課

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