コラム de スタディ

2018.05.09.NEW
【平成30年度診療報酬・介護報酬改定】介護老人保健施設(老健)のこれからについて

 

風薫る5月、博多どんたくでにぎわい、有田をはじめ、波佐見、小石原では陶器市が開かれ、小倉ではオクトバーフェストが催され、好天に恵まれた今年は、よりにぎわったのではないかと思います。皆様はこのゴールデンウィークをどのようにお過ごしになりましたか?

 

医療機関や介護施設や事業所では、この4月の改定による影響なども踏まえ、いつになく忙しい日々で、連休どころではなかった方もあるのではないかと推測しております。

 

今回の改定で、思いのほか厳しい状況に追い込まれているのが、介護老人保健移設(老健)ではないかと思います。今回はこの老健に焦点を当ててみたいと思います。

 

さて、そもそも、介護老人保健施設とは、どのようなものでしょうか?

 

全国老人保健施設協会のホームページによると、「介護を必要とする高齢者の自立を支援し家庭への復帰を目指すために、医師による医学的管理の下、看護・介護といったケアはもとより、作業療法士や理学療法士等によるリハビリテーション、また、栄養管理・食事・入浴などの日常サービスまで併せて提供する施設」とされています。また、「利用者ひとりひとりの状態や目標に合わせたケアサービスを、医師をはじめとする専門スタッフが行い、夜間でも安心できる体制を整えている」とされています。

 

つまり、簡単に言うと、「介護が必要になった方が、リハビリ等を実施して自宅で過ごせるように、目標をもって支援していく」ための中間施設ということが明確に書かれています。

 

「介護老人保健施設」の理念としては、「利用者の尊厳を守り安全に配慮しながら、 生活機能の維持・向上をめざし総合的に援助する。また、家族や地域の人びと・機関と協力し安心して自立した在宅生活が続けられるよう支援する」というふうに書かれています。

 

またその役割としては、以下の5つの役割を挙げられています。

図1

引用:公益社団法人全国老人保健施設協会ホームページより

 

 

さて、ここまで見てきて、何かお気づきになりませんか?

ここからが今日の本題です。今回の改定の重要なポイント・・・さらに3年後の改定を見据えていくうえでとても重要なお話となります。

 

今回の改定では、「老健の特養化」が大きな課題であることが議論され、ここまでに述べてきた「在宅生活を送るための支援」するためにどう評価し見直していくのか・・・というところに審議会の議論が集中していました。

 

そして出てきた改定事項は、次のスライドに記載されているとおりです。

これらすべてが、先に述べた「理念」「役割」を象徴している内容となっています。

図2

 出典:厚労省「平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について」

 

この中で、一番大きな変更は「基本報酬の算定構造の変化」ではないでしょうか?

つまり、今までストラクチャー評価で決められていたのもが、「実際にどのようなサービスを提供し、結果が出ているか」という評価に代わっていったことを示しています。

 

これは途轍もなく大きな変更で、正直とても吃驚しました。

ざっくりと分けて、「在宅強化型」「基本形」「その他」に分けられ、在宅強化型の中に「超在宅強化型」が、基本形の中に「加算型」が分かれ、転換型老健も含めて全部で5段階の評価となりました。

 

どのように評価していくかというと、次のスライドの左側の「在宅復帰・在宅療養支援等指標 10項目」の項目について、それぞれ決められた採点をして、その得点の合計で判断していこうというものです。

 

これらの評価項目の内容は、点数表に詳しく記されていますので、ここでは割愛させていただきますが、➀から④までの項目はとても重要で、配点も高くなっています。これは先に述べた「老健」の中間施設の役割を果たしているかどうかというところになります。それ以外のものは、在宅生活をサポート(支援)できるサービス提供ができているかを評価されたものです。

 

図3.1

出典:厚労省「平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について」

 

さらに、認知症高齢者の支援、かかりつけ医と連携して薬剤の調整を行った場合、排せつに介護を要する利用者に対し、多職種が共同して支援・・・つまり、おむつ外しに対する努力をした場合などにも加算の評価がついてきていますし、褥瘡の管理や食事摂取に関する加算(栄養評価、口腔ケアなど)などの評価も高く、これらは「自宅で生活を継続するために必要なサービス」と位置付けられています。

 

また、老健には医療機関としての役割もあり、その一つが「リハビリテーション」の提供です。通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションとして、地域に向けて「生活を支えるリハビリテーション」の提供が許されているというところも強みになります。

 

今現在、皆様の施設の中で、仮にこれらのサービス提供がなく、このポイント(得点)が低い場合・・・「あ~だめだ!」とあきらめないでください。

医療構想の中で、在宅も含めて「病床機能」「在宅の機能」などの機能分化の一端であると認識していただいて、「自施設が、地域の中でどのような役割を担っていくのか」というところをしっかりと検討され、そのために何をするのか考えていきましょう。きっと道は開けていくと思います。

皆さんの施設にもきっと「強み」があるはずです。少し頑張ればできることを頑張っていけば、これらのポイントも少しずつプラスに変わっていくはずです!!

 

また以前より、幾度となく「マネジメントとつく加算は意識して取る」ということと、「連携と名前がついている加算は算定するように努力しましょう!」ということを繰り返し申し上げてきました。これらはとても大きな意味があり、「得意分野を活かす」ということが必要になってきていると考えているからです。今からでも遅くはありません。ぜひ、「自分たちの強みはなにか」ということを施設内・医療機関内でスタッフも交えて話をしてみてください。

 

わたくしたち佐々木総研グループでは、地域を支える医療機関さま、介護事業所さまを応援したいと思っています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

 

 

【参考資料】

〇参考資料1 厚労省「平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について(説明会資料)218ページ以降

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000192302.pdf

 

経営支援課

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