ストラクチャーからアウトカム評価への転換へ

長 幸美

アドバイザリー

今年は桜の開花が早く、葉桜と桜吹雪の中での新年度となりました。
そのような中、診療報酬・介護報酬さらに障害福祉についても改定が行われ、新たな一歩が踏み出されたところです。医療機関により、明暗がはっきりと分かれた改定ではなかったかと思います。

今年の改定は、早い時点から審議会が行われ、様々な憶測が飛び交っておりましたが、実際に蓋を開けてみると非常にメリハリがはっきりとして、「地域を支えるために頑張っておられる医療機関は評価」「とりあえず・・・とやってこられたところには厳しい改定」となってきています。

 

今回の改定の重要なキーワードの一つで「多職種連携」という言葉があります。
つまり、病棟の中でも、「退院支援ナース・社会福祉士」「薬剤師」「PT・OT・ST」さらに「管理栄養士」の配置も求められてきました。これは、それぞれの資格を持った専門職それぞれの専門職の特性を生かしたケアを行い、医療のサポートをしてほしいというメッセージが込められています。
これは「働き方改革」の考え方が大きく影響しているようです。これも今回の改定の大きな特徴の一つでしょう。

 

また、運営については「在宅復帰率」の計算式が変更となりました。この内容にも大きなメッセージが込められています。「ポストアキュート」と「サブアキュート」について受入れの加算が求められていますが、よく見るとその病床の機能として求められているものにより、加算の点数等に差が出てきました。この流れ、メッセージはよく読み解いていく必要があります。

 

それと、「認知症」の対応です。
高齢化社会において、2 人に 1 人は認知症の患者がいるといわれています。「地域包括ケアシステム」の中で、この認知症の患者については、一般病棟であっても対応が必要で、「うちは一般病院だから対応できません」ということは言えないようになってきています。このために、対応については研修を受け、サポート体制を強化する必要があります。非常に低い点数ではありますが、加算により評価されています。地域密着型で診療を行われている医療機関はこのあたりを踏まえていく必要があります。

「地域包括ケアシステム」は「地域の中で長く住み続ける」ことをどう「医療介護」でサポートしていくか・・・ということです。これは、明らかに「ストラクチャ(設備や人)ではなく、サービスそのものでどう支援しているのかを実績として見せてください」ということになります。これがアウトカムです。実績を見せるためには、「現場」の状況をデータとして把握していく必要があります。
今後この傾向は続いていくでしょう!この大変な時期ではありますが、しっかりと対応をしていきましょう!

図

 

 

 

 

経営支援課

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