コラム de スタディ

2017.04.24.
【医療介護あれこれ】訪問診療と訪問マッサージ

新一年生が真新しいランドセルを背負って元気に通う姿をあちこちで見るころとなりました。今年は桜の満開の中、花吹雪が美しいころに入学式を迎えられ、お子様の成長に思いをはせていらっしゃることでしょう。

そのようなある日、顧問先の先生から、
「訪問診療に行っている患者さんから「訪問マッサージの同意書を書いてほしいといわれたけれど、訪問診療と訪問マッサージは一緒にしてもいいの?」
と質問がありました。

私のなかに「療養同意書」は基本的には、医学的な治療の終了を意味するものという理解をしていました。つまり「症状固定」などによりこれ以上の回復が期待できず、鍼灸・あん摩・マッサージに今後を託す・・・つまりこの状態に関して積極的なリハビリ等はしませんのであとはおねがいします、というような意味合いだと思っていたのです。このために「同一の疾病についてまたは状態について診療費が査定される」という理解をしていました。

したがって、同じ病態であれば「訪問診療」と「訪問マッサージ」はできないのではないか・・・と考えていたのです。本当にそうなのかどうかを考えてみたいと思います。

「訪問マッサージ」とは、どのようなものでしょうか?
いろいろな先生方、施術者の方々にそれぞれ言い分があるようですが・・・保険適応基準というものがあり、医師の同意書や診療がもとにならないといけない「医療行為」であることがわかってきました。・・・ですので、医師の判断が必要になるのです。

  • 保険適応基準・・・医師による適当な治療の手段がないもの、医師の同意書が必要
    ⇒この療養費支給は、医師の同意書等により判断されるものであり、医療上必要があって行われたと認められるマッサージが対象
  • 自費によるもの・・・制限はない、疲労回復・慰安の目的でも可能

また、リハビリテーションの観点から行われるものの中にも「徒手」による治療が行われます。その内容とどこが違うのでしょうか?
はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術にかかるものでは保険で療養費を給付してもらうためには、旧来より医師の同意書が必要とされています。
では「訪問マッサージ」の医師の同意書とは、何に対して同意するのでしょうか

これは、「脳血管疾患の後遺症等(片麻痺、関節拘縮など)、整形外科疾患等(神経痛や痛風など)に関し、医師による適当な治療手段が無いので、マッサージをしていいですよ」という同意のようです。
ここでのポイントは「同じ傷病」「関連する症状」において「医師による適当な治療手段がない」という判断になり、極論ですが、保険診療の対象ではなくなる・・・ということではないでしょうか。

このため、言い換えると腰痛等で整形外科にかかっていて、医師が適切だと考えている治療を受けているならば、基本的には訪問マッサージとの併診はできないということになるようです。

このため、「同意書(100点)」を出し、鍼灸の治療やマッサージを保険請求することにより、医療機関で受ける「リハビリテーションや消炎鎮痛処置、湿布等の投薬等」が査定される・・・つまり、同じ疾患や状態で受ける治療の保険請求が認められなくなることになります。

当然のことながら、健康な方が、リラクゼーション目的で利用した場合は、仮に医師の同意があったとしても、それが保険適応になることはありません。

また、在宅医療にかかる「往診料」にあたる「往療料」というものがあります。
これは施術にかかる施術師が在宅等を訪問し、施術を行うことをさしますが、この算定についても、往診と同様に規定があり、Q&Aにより明らかにされています。

「往療料」は、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等により通所して治療を受けることが困難な場合に、患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に支給できること、とされています。

ここでは、「歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等」ということがポイントになろうかと思いますが、Q&Aのなかでは、「自身の体が寝たきりまたはそれに準じた状態を指し、住家から外出することが出来ないことで通所することが難しいことであり、本人が歩ける状態である場合には真に安静を必要とするやむを得ない理由等には当たらず、医師が同意書に往療が必要であると記入した、または同意した場合であっても、当該医療機関や他の医療機関への通院の実態が確認できる場合は、通所して治療を受けることが困難な場合とは認められない。」との見解が出されています。

いま、「支える医療」への転換の時期とされ、高齢者をはじめとする地域住民の生活をどのようにして支えていくのか、ということが議論されています。単にどのようなサービスが必要かということも大事ですが、「その方の生活レベルを維持し、支援していくには何が必要なのか」、医療の立場で、じっくりと考えていく必要がありそうです。

 

 

<参考資料>

 

経営支援課

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