通勤手当の非課税限度額について
桃井 元気
税務・会計本コラムの内容は、執筆時点での法令等に基づいています。また、本記事に関する個別のお問い合わせは承っておりませんのでご了承ください。
通勤手当の「非課税限度額」が引き上げられました
通勤手当には、一定の金額までは税金がかからない(非課税)というルールがあることをご存じでしょうか。
令和7年11月に、この通勤手当の非課税限度額が改正され、特に自動車や自転車で通勤している方にとっては、負担が軽くなる内容となりました。
今回は、この改正のポイントをできるだけ分かりやすくご紹介します。
何が変わったの?
一言でいうと、「通勤手当のうち、税金がかからない金額(非課税限度額)が増えた」ということです 。
これまで、車やバイク、自転車などで通勤している方への通勤手当には、距離に応じて「ここまでは税金がかかりませんよ」という枠(限度額)が決まっていました。今回、その枠が引き上げられたのです。
例えば、片道の通勤距離が「45km以上 55km未満」の方の場合……
- 【今まで】 月額 28,000円までは非課税
【これから】 月額 32,300円までは非課税
このように、非課税となる枠が広がりました 。 (※電車やバスなどの交通機関のみを利用している方は、最高限度額15万円のまま変更ありません )
いつから適用されるの?
ここが重要なポイントです。 この改正ルールが発表されたのは令和7年11月ですが、なんと「令和7年4月1日以降に支払われるべき通勤手当」に遡って適用されます 。
つまり、「今年の4月から10月の間に受け取った通勤手当も、新しい(高い)限度額で計算し直してOK」ということなのです。
「4月〜10月分の給与計算はもう終わってるし、税金も引かれちゃったよ?」と思った方、ご安心ください。
4月からこれまでの間に、「改正前の限度額」を超えて通勤手当をもらっていた(=その分、所得税を引かれていた)方は、払いすぎた税金が今年の年末調整で精算(還付)されます 。
【対象になる可能性が高い人】
・マイカーや自転車で通勤している
・会社から支給される通勤手当が、これまでの非課税限度額を超えていた
・令和7年4月以降に給与を受け取っている
これらに当てはまる方は、今回の改正によって課税対象となる所得が減り、その結果、年末調整で戻ってくる税金が少し増える可能性があります(※個人の給与額や他の控除状況によります)。
まとめ
今回の通勤手当の非課税限度額の引き上げは、
物価上昇や通勤コストの実態を踏まえた、実務的にも重要な改正です。
特に、
マイカー・自転車通勤の方
給与計算・年末調整を担当される方
は、一度内容を確認しておくことをおすすめします。
(注) 本コラムは令和7年11月19日現在の法令等に基づいて作成しています 。
作成日:2025年11月19日
著者紹介
- 税務会計コンサルティング部 税務会計2課
最新の投稿
- 2025年12月26日給与通勤手当の非課税限度額について
- 2025年6月18日賃上げ2025年 医療機関における賃金引き上げの状況
- 2023年6月13日税務・会計簡易課税制度の適用
- 2022年9月1日税務・会計軽減税率の対象について