医療機関における定年延長について 

石井 洋

人事労務

近時、定年制について再検討する(もしくは検討したい)医療機関のお客様が出てきた印象です。従前の取り扱いとして多かったのは、定年後の再雇用について、処遇を一定程度下げて(90%~50%)、賞与支給も無(もしくは大幅減額)という条件にて再雇用するパターンだったと思います。しかし、直近での印象としては、上記のような再雇用の条件の場合、再雇用時に契約せず転職するという事例が発生するようになっています。近時、定年再雇用の職員であっても定着をして貰わないと困るという段階まできているため、定年年齢を改めて考えるかという点が少しずつ注目されている印象です。 

現在の定年年齢に関する統計調査 

参照:令和4年就労条件総合調査の概況(厚生労働省令和4年10月28日発) 
確認日令和6年6月26日9時 

上記は、一律定年制を定めている会社における定年年齢の統計になりますが、「医療、福祉」において、60歳の定年年齢は66.1%、65歳は25.6%、更に66歳以上も4.7%という数字になっています。全体的に比較しても令和4年調査では、60歳定年72.3%(←平成29年時調査79.3%)となり、平成29年調査から定年年齢を延ばす傾向にあるのは一目瞭然です。 

今後、定年年齢を延長するかどうかを検討するにあたっては、 

〇現在の職員の方々の年齢構成 

〇定年年齢を何歳まで延ばすのか 

〇定年年齢を延ばした際の退職金の仕組みをどうするのか 

〇定年年齢を延ばした際に、新しい定年年齢ではまだ定年に達していないことなる従前の定年再雇用者の処遇をどうするか 

〇60歳以降の昇給についてどう考えるのか 

〇定年年齢を延ばした際に、賃金カーブをどう考えていくのか 

といった様々な問題を検討していく必要があります。 

近時の人材不足、定年後再雇用の条件に関する同一労働同一賃金の流れを考えると、定年後の処遇とあわせて定年年齢をどうするか、ということについて医療機関も検討せざるを得ない時代になっていると思います。現在の職員の方々の年齢構成を分析して、自院の今後の将来像を考える上で定年年齢を再考してみませんか。 

2024年6月26日

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