診療・介護・障害の報酬改定率決まる 

楢橋 信一

医業経営支援

12月20日、厚生労働大臣と財務大臣との大臣折衝で2024年度の診療報酬改定率が決まりました。医療行為の対価にあたる本体部分を0.88%引き上げ、薬価を0.97%のマイナス、医療材料価格を0.02%マイナスとし、診療報酬全体では0.12%引き下げとなりました。 

また、介護報酬の改定率は1.59%引き上げ、障害福祉サービス等報酬の改定率は1.12%引き上げと、いずれもプラス改定となっております。 

今回の報酬改定の注目点の一つに、賃上げ対応への財源確保にどの程度手当されるのかという視点があります。これについては、診療報酬が本体部分のうち0.61%を医療従事者の賃上げに、介護報酬が0.98%を介護職員の処遇改善に充てるということです。 

これらの決定を受け武見厚生労働大臣は記者会見で、各改定率について「関係職員の賃上げを実現できる水準を確保できた」とコメントしております。 

医療・介護・福祉業界は、賃金上昇が他産業に比べ大きく遅れを取っており、その遅れは各従事者のモチベーションの維持・向上への影響のみならず、他産業への人材流出のリスクも抱えていると考えられます。 

今後、各審議会の議論は具体的な報酬配分に移りますが、このタイミングで他産業との差をどの程度埋められる改定に至るのか、これからの議論と決定内容が注目されるところであります。 

2023年12月25日

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