相次ぐ自然災害~あなたの火災保険は万全ですか~第2回「火災リスク」  

渭川 あかり

リスクマネジメント

『相次ぐ自然災害~あなたの火災保険は万全ですか~』シリーズの第2回目です。 

今回は前回お伝えした通り、「火災リスク」について綴って参りたいと思います。 

まず、本題に入る前に「そもそも火災保険とはどういうものなのか」という前提のお話を致します。 

「火災保険」といっても、 

・台風で瓦が飛んだから請求しよう 

・寒波で水道管が破裂したから請求しよう 

など、火による災害以外で請求される方が多いのではと思います。 

このように「火災保険」という商品内では、リスクに対する補償が細分化しており、契約するにあたって「最近雨が酷いから、水災はつけておこうかな」「そうそう台風が通らない地区だから、風災に対しては免責金額(※)を設けよう」など選択することが可能です。 

※免責金額…保険金を請求する時の自己負担額 

分類は大きく分けて下記の通りです。 

  1. 火災リスク 
  1. 風災リスク 
  1. 水災リスク 
  1. 水濡れリスク 
  1. 盗難リスク 
  1. 不測かつ突発事故に関するリスク 

今後のコラムでは、これらの分類について1つずつ解説していきたいと考えております。 

さて、今回のコラムの本題である「火災リスク」のお話へと入ります。 

「家が燃えてしまった!」という一番ピンと来やすい火災による損害の他、落雷や破裂・爆発もこちらの分類に含まれます。 

●火災による損害 

一般社団法人日本損害保険協会の解説によると、 

火災とは、一般的に「場所または時間に偶然性」があり、「火勢が自力で拡大する」ものをいいます。 
このため、例えば燃焼しているストーブそのものや、火のついたタバコを畳の上に落とし畳の一部を焦がしたような場合には、火災とはいえません。火のついたタバコを畳の上に落として、焦げに留まらず、着火し、火として自力で拡大していくにつれ、火災として認識される状態になります。 

とあり、「偶然性」と「拡大性」のある火災を原因とする事故が補償の対象となります。 

なお、近隣の火災に巻き込まれたケースにおいては、相手に重大な過失がない限り、損害賠償請求ができないと定められていますので、自分の家は自分の保険で守るということが肝要です。 

そして、火災保険では、地震による火事は補償されないのですが……それは別の機会にお話したいと思います。 

●落雷による損害 

落雷により、建物・家財に被害があった時に備えます。 

支払例としては、 

建物:雷が自宅に落ちて、屋根が破損した。建物が燃えてしまった。 

家財:落雷により、テレビなど電気機器が壊れてしまった。 

などがあります。 

なお、建物の中にある電気製品は全て「家財」だろう…と考えてしまいますが、建物の中にあるものでも動かせないものは「建物」とみなされるので、エアコンは「家財」でなく「建物」となります。 

●破裂・爆発による損害 

破裂・爆発とは「気体または蒸気の急激な膨張を伴う破裂またはその現象」のことを言い、いわゆる「ガス爆発」などが該当します。 

水道管または水管の凍結による破裂は、破裂・爆発の現象に当てまらないので、こちらの事故については「水濡れリスク」で補償を受けることができます。 

長くなりましたが「火災リスク」についての説明は以上となります。 

第3回は「風災リスク」について、お話をしていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。 

《参考資料》 

一般社団法人日本損害保険協会 損害保険Q&A 

https://soudanguide.sonpo.or.jp/home/q050.html (確認日:2023年7月24日) 

2023年7月24日

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