市川隆志の「日々、相談屋」コラム:
「認定医療法人制度」活用のメリット・デメリット①

市川 隆志

医業経営支援

2022年12月、政府の「令和5年度税制改正の大綱」が閣議決定され、「認定医療法人制度」については医療法改正を前提として延長がなされる予定となりました。わたしの初コラムとなる今回は「認定医療法人制度のメリット・デメリット」について、お伝えしていきます!

この制度、確かに、いわゆる旧医療法人(平成19年3月31日までに設立している医療法人)での医業承継を検討している方々にとっては、以下のメリットが挙げられます。
1. 医療法人の出資持分に関する相続税負担が無くなる
2. 厚生労働省のいわゆる『お墨付き』なので、安心感がある
3. 医業承継の課題の内、財産面での課題が解決されるので、運営面での承継課題に集中できる

もちろん、良い事尽くめではなく、以下のデメリットも挙げられます。
1. 運営面での一定の制約がかかってくる
2. 取引面での様々な制約がかかってくる
3. 移行時・移行後、申請・報告書類作成等、事務負担がかかってくる

このように、認定医療法人制度の利用にはメリットもあればデメリットもあり、状況次第では「制度を利用しないほうが良い」という選択肢もあり得ます。

ただ、例えば、『あいつが子供の頃、あまり子育てに協力していなかったから、継いで欲しいとは言いにくいなあ…』というような、医業承継を言い出しにくい雰囲気がある場合(案外多いように思います)に、『こういう制度があるみたいだな』という切り口で「きっかけづくり」をするのには、ひと役買ってくれるかもしれませんよ!

では、次回以降、メリット・デメリットそれぞれについて、わたしの思うところを解説していきます。お楽しみに!

■厚生労働省「持分の定めのない医療法人への移行計画の認定申請について(認定医療法人制度)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000205627.html
■コラム「認定医療法人制度に係る税制措置の延長(令和5年度税制改正大綱)」
https://www.sasakigp.co.jp/column/10022891

2023.1.16
株式会社佐々木総研 取締役 医業経営コンサルティング部 部長 市川隆志

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