豪雨災害と所得税

江口 裕子

税務・会計

今年も7 月に全国各地で記録的な大雨が相次ぎ、静岡県熱海市では大規模な土石流が発生するなど各地で被害が相次ぎました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

こうした自然災害により、住宅や家財などに損害が生じた場合、確定申告により雑損控除など所得税の軽減措置を受けられます。雑損控除は災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができるものです。控除額は、次の二つのうちいずれか多い方の金額です。

(1) (差引損失額) - (総所得金額等) × 10%
(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額) - 5 万円

また、「保険金などで補填される金額」がある場合には、その金額を損失額から控除することになっています。
ただし、自然災害により生活基盤に著しい被害を受けた者に対して支給される被災者生活再建支援金については、損失額から控除しないことに留意しましょう。今般の大雨による災害では、熱海市が被災者生活再建支援法の適用対象となりました。災害のリスクは年々高まっているように感じます。日ごろの備えによって被害を最小限にとどめることは可能です。意識して災害に備えておきましょう。

税務会計4 課 シニアコンサルタント

著者紹介

江口 裕子
税務会計コンサルティング部 税務会計3課 マネジャー

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