コラム de スタディ

2021.04.21.NEW
【令和3年度介護報酬改定】高齢者虐待防止の推進

近年、高齢者虐待等の問題がクローズアップされてきています。
これを受け、すべての介護サービスに対し、利用者の人権の擁護、虐待の防止等の観点から、虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めることを義務づけることとされました。
これは省令の改正となっており、運営基準の中に規定しておく必要が出てきました。
経過措置が3年間ついてきていますので、次の医療介護の同時改定までには整備していく必要があります。
以下に、整理していきたいと思います。

【運営基準の追加】
省令の改正となっていますので、運営基準の変更が必要です。
運営基準の中に、入所者・利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、従業者に対しては、研修を実施する等の措置を講じなければならない旨を規定しておく必要があります。

■虐待の防止のための措置に関する事項 ※3年間の経過措置期間を設ける
①虐待の防止のための対策を検討する委員会の設置
⇒委員会は定期的に開催すること
⇒委員会の決定事項等は従業者に周知徹底を図ること
②虐待防止のための指針
③虐待防止のための研修を定期的に実施
④虐待防止のための担当者を置く

【虐待の範囲】
■身体的虐待 ・・・いわゆる暴力など
■介護・世話の放棄 ・・・いわゆるネグレクトといわれるもの
■心理的虐待 ・・・高齢者に対する暴言、等の心理的外傷を与えるもの
■性的虐待 ・・・利用者にワイセツな行為を行うこと又は強要すること
■経済的虐待 ・・・本人の同意をなくして金銭を使用する、または制限すること

【求められていることは?】
虐待を起こさないようにするために、研修や認知症等の基礎知識を学習し、特性に応じたケアが提供できるようにすることが求められています。
■高齢者虐待・不適切なケアの未然防止のための取り組み
⇒事故や苦情の分析と再発防止に関する取り組み
⇒提供する介護サービスの点検と、不適切事例の改善等による質の向上
⇒管理職・職員が一体となって介護の質を高めるための取り組み
⇒教育研修や認知症ケア等に関する理解を深めるための研修等
⇒第三者委員会等の介入

同時に、職員のメンタルヘルスケアも含め、指針やマニュアル等の作成と定期的な見直しが必要になると思います。

■虐待発生時の対応
虐待と思われる事象が起こった時に、速やかに報告する体制や申し出ることができるように体制を整備する必要があるでしょう。家庭と介護事業所が相互に牽制し合える体制も必要かもしれません。

■虐待に対する職員の責務
事業所において、虐待を早期発見するために、日常的にどのような対応をすべきか、話をしておくことが必要になるのではないかと思います。
また、虐待を察知した時の対応も、予めシミュレーションし徹底しておくことが必要でしょう。

【虐待防止責任者と担当者の責務】
ここで大事なことは、この責任者と担当者が何を行うべきであるかということを明確にしておくことだと思います。
■虐待防止責任者(管理者)の責務
①虐待の内容と原因の解決策
②当事者との話し合い

■虐待防止担当者(相談員)の責務
①虐待通報受付・・・利用者及び家族、職員からの受付
②虐待の内容と利用者の意向の確認及び記録
③虐待防止責任者への報告

■マニュアルの作成
このような責務や通報を受けた後の流れ、研修の実施等はマニュアルとして、作成する必要があります。これらは市町村が作成している指針や方針書を参考に作成されることが良いでしょう。
また、これらのマニュアル等については、求めに応じいつでも閲覧できるように文書の掲示及びホームページ上での公表が好ましいと思います。

さて、つらつらと記載しておりますが、
今回の改定では、事業所の質の向上が強く求められており、外部の力(LIFE等)を活用してその体制を作っていくことが求められていると思います。各市町村にそれぞれ、同様の内容を記載された方針等が公開されておりますので、参照にしてください。
何度も言いますが、これらは省令の改正となっています。運営規程等にも影響してきますので、経過措置期間中に計画を立てて対応をされてください。

<参考資料>
■厚労省「高齢者虐待防止の基本」・・・老健局
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/1.pdf

医業経営支援課

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