【医療介護あれこれ】初診料の算定(QAより)
長 幸美
アドバイザリー年末、ある方から再来初診の考え方を教えてほしいと連絡がありました。
今回は皆さんでこの「初診料」の算定を考えてみましょう!
初診料の算定は、「患者に対し初めて診療を行った場合に算定するもの」と規定があります。2回目以降は再診料の算定となります。
たとえば、Aさんが感冒で初めて来院し診療をした場合、その病気(感冒)が第1病となり、初めての診療行為に対して初診料の算定ができるということです。、
初診料の算定できること、算定できないこと、整理しておきましょう!
【初診料の算定原則】
■特に初診料が算定できない旨の規定がある場合を除き、患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為があった場合に初診料を算定する。
なお、同一の保険医が別の医療機関において、同一の患者について初診を行った場合は、最初に診療を行った医療機関において初診料を算定する。
■対診を行った場合・・・A医療機関で継続治療中の患者から、当院にて対診を求められた場合
【初診といわれる診療行為】
■医師法第20条
「診察」とは、問診、視診、触診、聴診その他手段の如何を問わないが、現代医学から見て、疾病に対して一応の判断を下し得る程度のものをいう、と規定されている。
【初診料が算定できない場合】
■健康診断を目的とする受診により疾患が発見された患者(当院の健診受検後)
■労災保険、健康診断、自費等(医療保険給付対象外)により傷病の治療を入院外で受けている期間中
■同一人が2か所の診療所(本院、分院)を開設している場合において、双方で同一患者の診療を行った場合は、医学的な初診における診療行為が行われたと考えられないので、初診料ははじめの診療を行った診療所のみで、2か所目は算定できない。
【二度目以降であっても初診料が算定できる場合】
■同一の医療機関であっても、患者が任意に診療を中止し、1月以上経過した後、再び同一の保険医療機関において、診療を受ける場合には、その診療が同一病名又は同一症状によるものであってもその際の診療は初診として取扱う。この場合の1月とは暦月による。
■同一疾患(喘息等の間歇性疾患の治療、再発)の受診・・・
慢性疾患等の場合であっても、継続的な投薬等の治療を必要としない場合は、1発作1疾患として考える。例えば、喘息発作、てんかん発作、等。
【同一日複数科受診時の初診料】
■現に診療継続中の患者につき、新たに発生した多傷病で診療を行った場合には、当該新たに発生した傷病について、初診料は算定できない。
■ただし、新たに別の標榜科において、初診として別の医師の診療を受けた場合には、継続診療中の診療科以外に2つ目の診療科において、初診料として半額(144点)を算定できる。
<事例>
例えば、内科にて糖尿病の治療管理を「保険医A」の診療を受けている患者が、骨折により整形外科の医師「保険医B」の診療を始めて受診する場合、内科では初診・再診料を算定し、整形外科で2診療科目初診料144点を算定することができる。
従って、二つ以上の診療科を標榜し、2名以上の医師が診療にあたる場合に、この事例は発生します。
再来初診の場合、これらのルールに則り、初診料の算定ができるかどうか、判断していくことになります。
<参考資料>
※厚労省「令和2年度診療報酬改定について
(社会保険研究所「診療報酬点数表の解釈、若しくは、医学通信社「診療点数早見表」をご確認ください)
診療報酬点数表 第1章基本診療料
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603747.pdf
医科診療報酬点数表に関する事項
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000666093.pdf
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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