【令和3年度介護報酬改定】通所介護と通所リハビリテーション

長 幸美

アドバイザリー

●第193回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14716.html

介護保険法が改定され、来年4月の改定に向けて、審議も大詰めを迎えています。
先日11月16日に社会保障審議会の介護給付費分科会において、個別サービスごとの審議が行われました。この中で、今回は、通所系サービスについて、みていきたいと思います。

皆さんご存知のことと思いますが、この通所系サービスの中で「通所介護」と「通所リハビリテーション」は、似て非なるもので、それぞれのサービスの目的をきちんと整理しておく必要があります。そもそも論が今回肝になっていて、その部分の評価をどうするか、見直されているように思うのです。意識せずに通所系サービスを提供されていた事業所にとっては、インパクトの大きな改定になるのではないかと感じています。

そもそも介護保険は、「介護が必要となった高齢者が、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、支援する」ことがもとになっています。このため、可能な限りその居宅において、生活し続けるためのどんな支援が必要かを、介護が必要になった本人・その家族、介護支援を行うものを含めて共同連帯の理念のもとに考えていきましょう、ということが書かれています。つまり、すべてをしてあげることがサービスではない、ということが書かれていると思います。これは介護保険サービス共通の項目だと思います。

【通所介護と通所リハビリの役割分担】
通所介護」は、自立支援・重度化予防を図り、質の高いサービス提供を促し、利用者の身体的な機能改善の評価に加えて、社会とのつながりの継続や、介護者の負担軽減、レスパイト機能も持つものとされています。
一方「通所リハビリテーション」は、医師の指示に基づき、リハビリ専門職が行うもので、他のサービスとの連携を含めてその評価を行うことで効果的なリハビリを提供する、とされています。このため、一定期間リハビリを行い、その後通所介護につなげていくことが理想とされています。

通所リハビリテーションと通所介護の要件等の比較(出典:社保審「介護給付費分科会」20201116資料「通所リハビリテーション」資料より)

【入浴サービス】
自立支援の目的ですから、単に入浴介助を行うだけではいけないということを言われているようです。あくまでも「入浴動作の訓練」であり、自宅の浴室の状況をみて、どのような動作が必要で、その訓練が必要ということになりそうです。

通所リハビリの入浴介助加算のイメージ(出典:社保審「介護給付費分科会」20201116「通所リハビリテーション」資料より)

【個別機能訓練】
「通所介護」「通所リハビリ」との併算定について議論されています。
この内容も、「自宅での生活を継続するために必要な動作訓練・・・ということになります。

【リハビリテーションマネジメント加算】
リハマネ加算Ⅰの算定はなくなるのかもしれません。VISITによる情報提供が進んでいないことから、リハマネ加算Ⅱ,Ⅲの要件になるという検討もされているようです。

【相互の連携】
「通所介護」「通所リハビリ」の連携を促進する目的で、「生活機能向上加算」の要件等が見直しされているようです。

このほかにも、様々な内容が検討されているようで、かなり厳しい改定になりそうです。
ご興味がおありになる方は、資料をご覧ください。

<参考資料>
●通所介護・地域密着型通所介護・ 認知症対応型通所介護の 報酬・基準について
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000696138.pdf

●通所リハビリテーションの 報酬・基準について
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000695025.pdf

医業経営支援課

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