【令和2年度診療報酬改定】夜間看護体制加算と看護補助加算について
長 幸美
アドバイザリー令和2年度診療報酬改定では、「働き方改革」が重点課題とされ、多くの評価が新たについています。今回のテーマである「夜間看護体制加算」「看護補助加算」もその中の一つで、プラス評価がついているものになります。
医師のみならず、看護職員についても人手不足は喫緊の課題となっており、特に看護補助者については応募者数も少なく、採用に苦慮されている医療機関・介護事業所が多いのが現状です。
医師・看護師等の医療職については、「医療従事者の負担軽減及び処遇の改善等」の計画や「多職種からなる役割分担推進のための委員会・会議」の開催について、管理者のマネジメントを推進するように取り組みが進められ、さらに常勤換算・専従配置の緩和などが盛り込まれてきました。
「看護補助者」については、これら看護師の負担軽減や業務分担・協働を推進する観点から、夜間配置加算や看護補助加算について、10点から30点の増点となっています。
この中で、注目してほしいのは、「補助者の配置加算の方が、加点が大きい」というところです。それだけ、人材不足に悩まれている医療機関が多いことと、看護補助者の処遇(給与)の改善が必要だというメッセージではないかと考えています。
この「夜間看護体制加算」「看護補助加算」を考えていく中で、皆さんにぜひお願いしたいことは、「業務分担・協働」を行うために、看護業務と看護補助者の業務内容を見直してほしいということです。「看護」なのか、「入院生活の援助」なのか・・・すべてをしっかりと分けていくことはできないと思いますが、本来業務が何なのかを明確にして、協働できる環境を整えてほしいと思います。
それと、看護補助者の業務の中に、事務的な業務も多く含まれていることから、前回の改定では事務的な看護補助者(看護クラーク)も条件付きで看護補助者にカウントすることができるようになってきました。これも、業務分担・協働の視点からみると、とても大事なことです。
また、「夜間看護体制加算」については、疑義解釈において、「夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目」のうち、看護補助者の業務において「療養生活上のお世話が5割以上」であることが求められていますが、この中にも、主に事務的業務を行う看護補助者以外の各看護補助者の業務において、5割以上であることと回答されています。
この療養生活上のお世話については、「看護師業務の範囲」、「看護補助者業務の範囲」を明確にする必要が出てきていると考えており、業務分担をしっかりと話し合う必要があると考えます。
<参考資料>
◆厚労省:令和2年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html
※告示、通知
◆厚労省:令和2年度診療報酬改定説明資料等について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00001.html
※03 令和2年度診療報酬改定の概要(働き方改革の推進)
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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