年金支給開始年齢に関する議論

石井 洋

人事労務

近時、ニュース・新聞において、公的年金を受け取り始める年齢の引き上げに関する議論が紹介されるようになってきました。現在は60 歳~70 歳の間で支給開始年齢を選ぶことが出来る仕組みになっていますが、安倍首相が年金を受け取り始める年齢について70 歳を超えても選ぶことが出来る制度改正を、3 年で断行したいと表明しています。
この議論の背景には、少子高齢化の進展による年金財政への懸念、財政難があるのは間違いありません。厚生労働省年金局の2018 年11 月2 日資料でも年金制度の方向性として、①就労期間の延伸を年金制度上も反映し、長期化する高齢期の経済基盤を充実、②多様な年金と雇用の組み合わせを可能にする制度の柔軟化・改善、③長期化する高齢期に対応するための自助努力の促進、という3 項目が挙げられています。つまり、高齢者の就労期間をとにかく延伸し、働いている方については年金を柔軟化(減らしたい)、将来の備えは自分で出来る限りお願いします、という事です。公的年金を取り巻く状況が今より良くなる事はまずあり得ませんので、在職中のうちから将来への備えを自力でどこまで準備出来るか、長く働くためにどうやってスキルを身につけるか等、これから難しい時代になっていきそうです。

人事コンサルティング部部長

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