バナー広告とリンクする医療機関ホームページも広告規制の対象に

楢橋 信一

アドバイザリー

厚生労働省は9月に各都道府県等の担当者に対し、「『医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(医療広告ガイドライン)』の改正について」との通知を出しました。

これまでインターネット上の医療機関のホームページは、当該医療機関の情報を得ようとの目的を持った人が検索することから広告とは見なさない、つまり不特定多数の人が容易に認知できる状態ではないので広告とはみなさないとされております。一方で、バナー広告、あるいは検索サイト上で検索した際にスポンサーとして表示されるものや検索サイトの運営会社に対して費用を支払うことによって意図的に検索結果として上位に表示される状態にしたもの(以下、バナー広告等)については広告として取扱われております。

ところが、それにリンクしている医療機関のホームページの取扱いがこれまで明確ではありませんでした。ちなみに、ガイドライン上、広告に該当するか否かの判断基準として次の要件が示されており、このいずれも満たす場合は広告に該当するとされております。

①患者の受診等を誘引する意図があること(誘因性) 

②医師、歯科医師の氏名もしくは医療機関名が特定可能であること(特定性)

③不特定多数の人が認知できる状態にあること(認知性)

 つまり、これまでバナー広告等とリンクする医療機関のホームページは、③の認知性に当てはまるかが不明確だったのですが、今回の改正により認知性も該当する、すなわちバナー広告等と一体的な関係にあり、不特定多数の人が容易に認知できる状態にあることから広告として取り扱うということが明確化されました。

財務コンサルティング部 第二部

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