金融危機のなかで有効な対策
佐々木総研
税務・会計昨年のリーマンショックからの金融危機、先の読めない不景気が続いています。そんな中、資産が目減りすることを嘆いても何も生まれません。これをむしろ好材料と捉えて対策することがあります。
次世代へ資産を目減りせず渡して行きたいそんな要望は誰しもあるはずです。現在の株安、付随して投資信託も元本割れしているファンドも多く、地価も大幅下落のところが多くあります。そこで贈与のチャンスです。
贈与対策 <株式の場合 相続時精算課税制度を使って>
(例)父(母)の所有する株式 400 株 1 株当り6 万円
購入代金 2,400 万円
父(母)から子へ贈与時の株価 1 株当り3 万円
贈与価格 1,200 万円
後に景気回復して株価上昇したので、売却
売却株価1 株当り7 万円
譲渡所得の計算(その他のコストは勘案していません)
譲渡所得=(譲渡価格-取得価格)×株式数
(7 万-6 万)×400 株=400 万円・・・譲渡所得
ここで、ポイントは取得価格が子が取得したときの3 万円ではないことです。原則として相続(贈与)による取得株式の取得価額は被相続人(贈与者)の取得価額を引き継ぐのです。
対価を払って取得していませんし、税負担をかなり減らしての親から子への財産移転ができます。土地についても同じように対策がとれます。
ここが下落の底なのか、いつ相続が発生するのか、それは誰にもわかりません。次世代へ贈与してなお下落したとしてもこの先20 年30 年と資産形成のチャンスです。
注意点
売却せずに相続を迎えたときの株価が贈与時よりさらに下落をしていますと財産評価は贈与時の価額で評価されますので、不利になります。また、相続時精算課税制度を使った親子間は、年間110万円の基礎控除額までなら非課税である「暦年課税制度」を使っての贈与はできなくなります。
著者紹介
最新の投稿
- 2019年1月4日その他2019年 新年のご挨拶 『利他の心で』
- 2015年11月6日その他高齢者の誤飲事故、内服薬の包装が4割を占める
- 2015年10月5日人事労務ストレスチェック制度の開始
- 2015年9月7日その他「健康寿命」日本が首位 英誌に188カ国調査