「レクイエム・フォー・ドリーム」(2000年:アメリカ)
森 𠮷隆
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2009年にイギリスの雑誌「エンパイア」が発表した「落ち込む映画」ランキングのトップテンで見事?1位に輝き(ちなみに日本のアニメ「火垂るの墓」が6位にランクイン)。2016年のアメリカのあるサイトの「心がつぶれそうになる傑作映画」でも1位に選ばれたというこの作品、先日25年振りに4Kリマスター再上映され、久々に鑑賞、登場人物達の堕ちっぷり、その絶望感を不謹慎な表現ですが、堪能しました。
※以下、ネタバレがあります。
堕ちていく原因になるのは、薬物。ダイエット薬として覚醒剤を乱用し精神を病んでいく老婦人。ヘロインの密売を行いながら、自ら服用し、中毒に陥る婦人の息子とその恋人。登場人物たちは平凡な人物(とはいっても息子は犯罪行為を行っているのですが、母親想いで、恋人をとても愛している面が強調されます)として描かれ、人並みに夢を抱く、という前半はやや穏やかな展開ですが、後半部から一気にテンポが急変します。
単調なメロディが繰り返されるような音楽が更に緊迫感を高め、麻薬の依存によって人が壊れていく末路をまさに奈落に突き進むジェットコースターの如く、加速度的かつ鋭角的な映像処理で描かれます。そのせいなのか観客は悲惨な内容に気持ちが重くなりながらもその一方、どこか奇妙なカタルシスも感じてしまうところにこの作品の背徳的な魅力を感じます。
「鬱」映画の代表作といわれながら、繰り返し鑑賞する人も多いという、ハマる人はハマるカルト的人気を誇る作品。この映画そのものが麻薬的快楽を持っているのかもしれません。
著者紹介
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人事コンサルティング部 労務コンサル課 シニアコンサルタント
(特定社会保険労務士)
「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。
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