コラム de スタディ

2020.10.14.NEW
社労士モリも映画あれこれ~「ある画家の数奇な運命」(2018年:ドイツ)~

上映時間3時間超の長尺ながら、その長さを感じない力作。
現代美術界の巨匠と呼ばれるゲルハルト・リヒター(作品は数十億円の価値があるとか)をモデルにしながら、虚実入り混じった一人の男の半生を描かれています。

※少々、ネタバレがあります。
物語の始まりはナチス政権下のドイツ。叔母の影響で芸術を愛する主人公の少年時代、しかし彼女は若くして精神を病み、当時の安楽死政策よりガス室へ送られてしまいます。大戦後青年に成長した主人公は絵画を学ぶようになり、そこで叔母の面影を持つ恋人が出来るのですが、彼女の父親は元ナチス高官の医者で、叔母を死に追いやった張本人だった…。

となると、サスペンス調の展開と思いきや、単純にそうはならないところが興味深いところ。ナチス時代から、戦後の東ドイツ社会主義、ベルリンの壁に象徴される冷戦時代、西ドイツへの亡命という激動の時代を経験する中、後半は、芸術に取り組む主人公の苦悩、挫折を経て、自己の内面を見つめ直すことによって、新しい表現方法を生み出すまでを中心に描かれていきます。その中で時代や場所に応じて変遷していく当時の芸術観が随所に絡んでくるのも、美の歴史を感じ個人的には興味津々でした。
F・H・V・ドナースマルク監督はデビュー作「善き人のためのソナタ」(2006年:ドイツ)でも旧東ドイツ時代の管理社会とそれに対抗する人間を描き、自由への賛歌を謳い上げた秀作となりましたが、この作品も真の芸術が生み出されるプロセスを丹念に描くことによって、政治権力に対する芸術の優位性を浮き彫りにすることに成功しています。

筆者略歴:特定社会保険労務士。 「WOWOW映画王選手権」2001年、2002年本戦連続優勝、2011年本選準決勝進出、2013年本戦準々決勝進出。2012年「スカパー!映画クイズ選手権」本選優勝。映画検定1級(2014年は首席合格)。

労務コンサル課

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