コラム de スタディ

2018.10.22.
【平成30年度診療報酬・介護報酬改定】「回復期リハビリテーション病棟」と「地域包括ケア病床」

今回の改定の注目点は、なんといっても在宅を含めた「病院の機能をしっかりと分化し、その役割を考えていきましょう」ということだと思います。

 

そこで、今回は「回復期機能」を担う表題の二つの病床の機能を考えていきましょう。

この二つの病床は、とても似ているように見えて、似て非なるもの・・・役割をしっかりと認識していなければ、病床稼働にも影響が出てきてしまいます。当然、収益も上がらなくなってきます。病院の機能と役割、患者さんの状態をしっかりと把握・分析し、見直していくことも必要になるかもしれません。統計を取っていく必要もあるでしょう。

この機会にしっかりと整理していきましょう。

 

【回復期リハビリテーション病棟】

今回の改定で、「回復期リハビリテーション病棟」は再編され、3区分から6区分に変更になりました。

図1

 出典:厚労省平成30年度診療報酬改定説明会資料より

 

以前にご紹介した改定のコラムの中で、データを取ることが大事であることと一緒に、「施設設備や人に対する評価」から「提供している医療の評価」へと変わっているという話しを覚えていらっしゃる方もおありになると思います。

また、医療提供には結果を求められているということもお伝えしてきました。

 

 基本部分を、看護配置15対1、PT2名+OT1名の配置をベースにして、員配置の充実棟の重症者の受け入れと状態の改善成績を「実績部分」として、評価をされたのが上記の一覧表となります。この中で、「リハビリテーション実績指数」を出していこうとすると、「重症者を早期に受入れ」、さらに「改善させて早期に退院させる」ということが必要になってきます。

つまり、この「実績指数37以上」を出していくためには、必然的に入院日数が短くなってきます。おそらく今までよりも2割から3割日数が短くなり、今までと同じ連携活動をしていれば、病床の稼働が低くなることは目に見えています。

 

どのように、患者さんを確保していきますか?

今のままの取り組みでは、平均入院日数が短くなることは容易に予測できますので、稼働率は落ちてくるでしょう。地域連携室の活動は、今までと一緒でよいのでしょうか?

 

二通りの考え方があり、新規の入院患者の確保をすること、もう一つは、高い基準を目指し、収入を確保していくことを考えていかなければいけません。

しっかりと病棟の機能を考え活動していかなければ、収益が確保できないようになっているのです。

 

さらに、効果的に「リハビリテーションの結果を出していく」ためには、「栄養状態を改善していくこと」がとても大事になってきます。このために、「管理栄養士の配置」が勧められているのです。

 

次に述べる「地域包括病床」は、先ほどの「回復期リハビリテーション病棟」とは考え方を変えていく必要があります。

【地域包括ケア病床】

読んで字のごとく「地域包括ケアシステム」を支えるための病床です。

このため、「自院の7対1からの受入れ」をメインで行っていた病床については、非常に厳しいものになりました。

また、「60日間入院させておける病床」と考えておられる病院にとっても非常に厳しい状況になっていると思います。

 

では、「地域包括ケアシステムを支えるための病床」とはどのようなものでしょうか? これをしっかりと理解し運用を考えなければ、収益を確保できないという特徴があります。

その内容は、地域包括ケアに関する実績部分として評価がついています。

 

基本部分は、「看護職員13対1」「看護必要度」「在宅復帰率」とともに、「リハビリテーションにかかる職員の配置と2単位以上のリハビリテーションの提供があります。

 

問題は、「域包括ケアシステムに関する実績部分」の評価です。

これこそが「地域包括ケアシステムを支えるための病床」に求められている機能です。

図2

 

出典:厚労省平成30年度診療報酬改定説明会資料より

 

 「地域包括ケアシステム」とは、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される仕組みのことを言います。このために、「在宅医療を実施していること」「看取り」の実績があることが要件の中に入ってきました。

 

「在宅医療を実施していること」とは、上記スライドの黄色の部分・・・つまり、

➀自宅等からの入棟患者割合

➁自宅等からの緊急患者の受け入れ

③自宅医療等の提供

④地域医療機関との連携

⑤介護サービスの提供

⑥看取りに対する指針

以上の実績が評価され、上乗せ部分として加点がついています。

 

また、200床以上の病院については、2.4の基準しか取れなくなり、如何に地域密着の中小病院に評価がついているのか・・・・これは病床の大きさによる「病床機能の評価」だともいえるでしょう。

 

また、これらの実績については、日々数字をカウントし統計を取っていかなければ基準を維持できなくなります。事務だけではカウントが難しいものもあります。いかに病棟=地域連携=事務と連携していくか・・・とても重要になっていきます。

 

当初この地域包括ケア入院料1を取得するのは難しいのではないか、と言われていました。しかし、私がかかわる、私が知っている病院さまはいとも易々とクリアされています。どういうことでしょうか?

この答えはいたってたやすいことでした。

そもそもの「基準の成り立ち」と「自院の役割」をしっかりと見定め、内外分析を行った病院さまは、改定早々にてっぺんの基準取得をされていました。

 

改定セミナーの中で講師が「7対1救済病床ではない」と連呼されていた理由がよくわかる結果となりました。類上げや病床の管理に苦戦されている病院さま。今一度、内部分析・外部分析をされることをおススメします。どうぞこの機会に、病床の機能の見直しをしていきましょう!次期改定に備えた準備になるはずです。

 

 

 

<参考資料>

〇回復期リハビリテーション病棟協会

http://www.rehabili.jp/

 

〇地域包括ケア病棟協会

http://chiiki-hp.jp/jyouhou/seido/1point2018kaitei.html

 

医業経営支援課

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