役員の医療保険は「個人」か「法人」か

井上勇

リスクマネジメント

本コラムの内容は、執筆時点での法令等に基づいています。また、本記事に関する個別のお問い合わせは承っておりませんのでご了承ください。

―経営を守るという視点から考える選択肢―

経営者が悩みやすいテーマのひとつに、「役員の医療保険は個人で加入すべきか、それとも法人で加入すべきか」という問題があります。両者は似ているようで、税務上も経営上もまったく異なる役割を持ちます。

まず、個人で加入する医療保険は、生活のリスクに備えるための最もシンプルな方法です。医療保険の給付金は原則として非課税扱いとなり、個人にとって扱いやすい仕組みといえます。

一方、役員の医療保障を法人で契約するという方法もあります。法人が契約者となり、役員を被保険者とする形です。法人が給付金を受け取る設計の場合、その給付金は法人の雑収入として計上されるケースがあります。また、契約形態によっては、保険料を法人の経費として処理できる場合があるため、法人の資金を「経営リスク対策」として有効に使える点が特徴です。

中小企業においては、経営者の健康リスクは会社の事業継続リスクそのものです。法人契約で備えを整えることで、役員の不測の事態が発生した際にも法人全体としてカバーしやすくなり、事業運営の安定性を高める効果があります。

とはいえ、どちらを選ぶべきかは企業ごとの状況によって異なります。
個人加入は「生活を守る備え」
法人加入は「経営を守る備え」
まずこの目的の違いを整理することが重要です。

経営体制、財務状況、今後の方針によって最適な形は変わります。

適切な設計を行うことで、予測しづらいリスクにも揺らがない、強い経営基盤をつくることができます。
「うちはどちらが合っているのだろう?」と感じられた場合は、一度専門家に相談してみませんか。

2025年12月12日

著者紹介

井上勇
医業経営コンサルティング部 ライフプラン・リスクマネジメント課

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