【医療介護あれこれ】受付業務を見直してみませんか?

長 幸美

アドバイザリー

昨年の新型コロナウイルス感染症拡大において先生方をはじめ、病院も診療所も感染対策や来院時の体温測定や手指消毒、非接触型の受付やキャッシュレス会計など、見直すことが多くなってきましたね。
それと同時に、2024年には「勤務医の時間外労働の上限規制」が適応されます。ずいぶん先だと思っていた医療機関も多かったと思いますが、あと2年後には体制を整えておかないといけません。これは医師のみでできることではなく、医療機関の姿勢も問われています。

以前、医療機関の医事(受付)職員の仕事内容が大きく変化してきているという話をしました。少子高齢化による「働き手」つまり「生産人口の減少」が大きな問題になっていることをお伝えしていました。このためなのか、昨年から診療所の先生方からも「受付職員の業務内容を見直したい」という相談が入るようになってきました。無駄をなくし、先生方が求める業務が行えるような状況を作っていく、これはとても大事なことです。

■受付の業務内容
基本的な受付の仕事としては、「来院者の応対」「患者対応」になると思います。
医療機関の中で、最初に応対し、診療が終わった後、最後に応対するのも受付です。
「受付の応対ひとつで、この医療機関の先生方への信頼度が変わる」ということをいわれる方もあります。受付の皆さんはとても重要な役割があることを意識していただきたいと思います。
このために接遇面を気にされる先生方も多いと思いますし、クレーム等のトラブルが多いのも事実です。

■診療報酬や介護報酬の評価
近年の改定では、ストラクチャーからアウトカムへ、と評価の形が変化してきました。さらに今回の改定の議論の中では、「なんちゃって○○」をどうするか・・・というような言葉も出てきています。つまり、それぞれの医療機関の役割を明確にして、実際に行った「実績」を施設基準の中で評価していこうという流れです。「外来医療」「在宅医療」でも機能報告が必要になってきましたね。

こうなってくると実施している医療機能をどう表現するのかが大事になり、診療データを積み上げ、データの収集と管理を行うことが必要になります。自院の診療機能やそのために必要な人員配置が行われているか、周辺のニーズを把握し対応を検討(企画立案・実行)していくことがとても重要になってきます。

■風を読む
昨年12月に「風の時代」に入ったといわれています。
「風の時代」とは、物に縛られない生き方や型にはまらない価値観を表し、「自由」で「多様性」に飛んだ、フレキシブルな世の中がやってくるといわれています。ものを持つ時代から場所にとらわれない住まいや生き方・働き方が増え、自由を楽しむ時代といわれています。

こういった「風の時代」の到来とともに現れたかに見えるCovid-19 。
この新たなウイルスの登場により、働き方や時間の使い方等の変化が加速し、医療機関も「フレキシブルな対応」を求められてきたことは、記憶に新しいと思います。

■チーム医療や連携の新たなステージ
少子高齢化社会への対策や過酷な労働環境の改善等を目的に、「医師・看護師の負担軽減」「勤務環境改善」等を診療報酬の中で評価しつつ、対応を進められてきています。
来春の改定でも、重点課題の一つに「働き方」があります。2024年に実施予定の勤務医の時間外労働の制限に向けて、院内はもとより、地域生活を支えていくために、どの医療機能を行うのか、「自院の役割」を明確にして、「できない部分はどことつながっていくか」ということを明確にしていきましょう。

事務職員であっても、医療職の一員であることには変わりありません。
さあ、チーム○○(病院・クリニック)の一員として、あなたは何を実行しますか?

医業コンサル課

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