【医療介護あれこれ】医療事務基礎講座「診療報酬点数表」
長 幸美
アドバイザリー皆さん、「診療報酬点数表」をみられたことはありますか?
診療所では、この「診療報酬点数表」がない医療機関もあります。お薬の卸さんや保険医協会から出されている「早見表」や簡易版で対応されているところも多いようです。
診療報酬はおおむね2年に1回程度改定が行われます。この改定の仕組みについてはどこかの段階で少しお話していきたいと思いますが、今日はこの「診療報酬点数表」の見方を少しお話したいと思います。診療報酬の考え方にもつながることがありますので、少し覚えておきましょう!
さて、診療報酬は、医療機関が行った医療行為を点数化して収入に変えています。この「診療報酬点数表」はそれぞれの診療行為の「価格」を明示しているものと考えていただいていいと思います。
「診療行為の価格」といってもよくわかりませんね。
たとえば、お腹が痛くなり医療機関に受診した場合、
初めて受診する場合の診察料は〇〇点、
お薬の処方せんを書いてもらったら〇〇点、
検査をしてもらったら〇〇点
レントゲンは〇〇点
注射をしてもらったら〇〇点 ・・・・という風に、一つ一つの医療行為について価格が決められています。これを全部合計し、1点を10円に換算して収入が決まってきます。
算定をするにあたっては、様々な条件(「算定要件」といいます)が決められています。この算定要件をクリアした場合に請求ができる仕組みです。
また、必要な医療機器(設備)や人員配置、実績により基準を決められている場合もあります(これを「施設基準」といいます)。この施設基準が決められているものについては、「施設基準をクリアしています」ということを届け出て、その後もその基準をクリアし続ける必要があります。
この基準に関しては、年1回報告をしたり、現地を見て本当に適正に維持管理できているか検査する仕組み(適時調査)があります。
このような決まりごとがこまごまと書いてあるものが「診療報酬点数表」です。
つまり、医療機関の中で医療を提供し、診療報酬を得るためのルールブックです。
ベースにある考え方は、「療養担当規則」になりますが、それに基づき、適正に実施されているか、審査も行われます。この審査についてはおいおい話をしていきましょう。
さて、本題に戻します。
診療報酬は大きく分けて、「基本診療料」と「特掲診療料」により分けられています。
「基本診療料」とはいわゆるドクターフィーといわれているもので、初診料や再診料、入院費など、基本的な医療機関の診察等にかかる報酬が定められています。
「特掲診療料」には、「医学管理料」「在宅医療」をはじめ、それぞれの管理や処置、投薬や検査といった医療行為について価格が定められたものです。
診療報酬は診療行為の点数(基本診療料)と医療行為の点数を一つ一つ積み上げたものになりますが、近年では包括請求になるものも増えてきました。
細かい点数については、点数表を見ていただきたいと思いますし、2年に1回変わっていきますので、詳しいことは触れません。
次回以降、算定にあたって理解しておいてほしい基本的な部分と注意事項について、少しずつ話を進めていきたいと思います。
基本を押さえていけば、難しいことはありません。
皆さんで少しずつ学んでいきましょう!
医業経営支援課
著者紹介
- 医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント
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