【令和2年度診療報酬改定】リハビリテーション実施計画書について

長 幸美

アドバイザリー

今回の改定で、「リハビリテーション」の項目の中で、一番に気になる変更点は、「通則」の見直しでした。通則が変わることにより、何が変わるのか、見ていきたいと思います。

疾患別リハビリテーション料の見直し(出典:厚労省「令和2年度診療報酬改定の概要」より)

リハビリテーションを開始するにあたっては、「リハビリテーション実施計画書」を、ADL項目を測定したうえで作成することが必要であると、定められています。つまり、この「リハビリテーション実施計画書」がなければ、リハビリテーションの算定要件に当てはまらなくなる(算定できない)ということです。
しかし、皆さんご存知の通り、この「リハビリテーション実施計画書」そんなに簡単な書類ではありません。

リハビりテーション実施計画書(様式21)

(出典:厚生労働省「告示_様式集(医科)」より)

このように、項目数も多く、リハビリテーション専門職が評価し、リハビリテーション実施計画書を作成します。このため、具体的なリハビリテーション開始までは、どうしてもタイムラグが生じていました。
今回の改定では、このタイムラグをなくし、早い段階からリハビリテーションを開始できるように、見直しが行われています。
この見直しにより、「リハビリテーション実施計画書」はリハビリテーション開始後7日以内(遅くとも14日以内)に作成すればよくなります。ただし、この場合は医師の具体的指示下で実施される場合に算定が可能とされています。
この具体的指示に関して想定しているものとしては、疑義解釈(その1)の中に医学的判断によるが、例えば、リハビリテーションの必要量及び内容、リハビリテーションを実施するに当たっての禁忌事項等が含まれうる」と記載があります。
カルテの指示又はリハビリテーション指示書の中に、これらの記載が必要になると考えられます。
なお、このリハビリテーション実施計画書については、これまでは、「内容を説明し、診療録にその要点を記載する」こととされていましたが、今回の改定で、内容を患者・家族に「説明の上交付するとともに、その写しを診療録に添付する」と改められています。つまり、この4月からは、実施計画書を添付することにより、診療録へ「説明の要点の記録」は省略できることになります。

<参考資料>
〇厚労省:令和2年度診療報酬改定の概要「個別事項」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000605493.pdf

〇厚労省:疑義解釈(その1)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000615888.pdf

医業経営支援課

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