消費税の税率引上げに伴う経過措置

峯 良輔

税務・会計

社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律により、消費税法の一部が改正されました。その中身は消費税率の引き上げ(平成26年4月1日より8%、平成27年10月1日より10%)が盛り込まれているものですが、同時に、 一定の条件のもと8%への税率引上げ後においても改正前の税率である5%が適用できる という 税率引上げに伴う経過措置 が設けられています。(8%から10%の引上げ時も同様)

適用項目については「旅客運賃等」「電気料金等」「資産の貸付け」をはじめとして様々な項目がありますが、今回はその中から「請負工事等」という項目をご紹介します。

「請負工事等」とは「工事、製造の請負に係る契約」や「一定の要件に該当する測量、設計及びソフトウエアの開発等に係る請負契約」を指します。わかりやすい例としては建物の建築契約がこれに該当します。また、上記の図の「指定日」というのは税率引上げの適用開始日の「半年前の日」を指します。図のように、指定日の前日までに契約を締結しておけば、引渡日が税率引上げの適用開始日後であっても5%の税率が適用されます。

なお、指定日以後に契約し、適用開始日以後に引渡した場合や、指定日以後に当初締結した契約を増額し、適用開始日以後に引渡した場合の増額分は新税率が適用されるので注意が必要です。

建物の建築契約ともなれば、契約金額は多額になりますので3%の差とは言え非常に大きなものとなります。現在、該当する請負工事等の契約をご検討されている方は、上記の経過措置をご活用いただければと思います。

財務コンサルティング部 第一部

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