税務調査等におけるオンラインツールの活用が開始 

山之口 真二

税務・会計

本コラムの内容は、執筆時点での法令等に基づいています。また、本記事に関する個別のお問い合わせは承っておりませんのでご了承ください。

国税庁は令和7年10月から、税務行政における業務効率化と利便性向上を目的に、福岡国税局及び金沢国税局並びにこれらの国税局の管内税務署(※)においてオンラインツールの利用を開始しました。対象となるツールは インターネットメール、Web会議システム(Microsoft Teams)、オンラインストレージ(PrimeDrive)、アンケート作成ツール(Microsoft Forms) の4種類です。これらは税務調査や行政指導などの場面で、国税当局の判断により必要に応じて活用されます。 

  • その他の国税局においても令和8年3月以降に順次利用が開始されます。 

オンラインツールの活用の概要は下記の通りです。 

オンラインツールは、税務調査や滞納整理、査察調査などで利用可能です。ただし、すべての手続きがオンラインで完結するわけではなく、現場での質問検査が必要な場合は従来通り対面で行われます。利用には、税務署担当者と納税者双方の合意が求められます。また、オンラインツールの利用を希望する場合は、国税庁ホームページに掲載されるMicrosoft Formsから同意事項に承諾し、メールアドレスの登録が必要です。 

Microsoft Teams利用の注意点としては録音・録画、チャット、文字起こし及びホワイトボード機能の利用は禁止されており、資料などの画面共有は納税者側のみ利用可能ということです。 
このようにオンラインツールの導入により、これまでの対面型の実地調査から非対面型のオンライン調査による調査の方法の多様化が予想されます。 
納税者側は新たなツールへの対応が求められますが、連絡や調査の効率化により調査期間の短縮などが期待できます。 
こうした流れに伴い、電子帳簿保存法への対応やIT環境整備が求められてくるのではないかと考えます。 

(注)オンラインツールは、利用者の方が税務署等の担当者との間で利用に関する意思の確認を行った場合にのみ利用することとなりますので、それ以外で国税庁をかたった不審なメール等にはご注意ください。 

〈参考サイト〉 
国税庁「税務行政におけるオンラインツールの利用について」 
https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/onlinetool/index.htm

〈参考資料〉 
国税庁「税務行政におけるオンラインツールの利用に関するQ&A」 
https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/onlinetool/pdf/08.pdf
https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/onlinetool/img/0025010-019.png

著者紹介

山之口 真二
税務会計コンサルティング部 審理室 副室長

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