贈与税の配偶者控除の特例

五十嵐 史絵

税務・会計

本コラムの内容は、執筆時点での法令等に基づいています。また、本記事に関する個別のお問い合わせは承っておりませんのでご了承ください。

今回は、奥さまからご相談が多い案件の一つをご紹介します。夫婦間の贈与なのでご主人さまも検討されても良いかもしれませんね。 

夫婦間で居住用不動産などを贈与したとき 
 婚姻期間が20年以上の夫婦間で一定の要件を満たす配偶者に対して、居住用の不動産又は居住用不動産を取得するための金銭を贈与した場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円までの控除をすることができます。これは「贈与税の配偶者控除の特例」といわれるものです。この特例の適用を受けて被相続人から贈与された居住用不動産などについては、相続開始前7年以内であっても「生前贈与加算」の対象に含めないこととすることができます。つまり、2,000万円までの居住用財産が相続税も贈与税も課税されずに移転され、相続財産の減少を図ることができます。 

適用要件 
 ①婚姻期間が20年を過ぎた後に行われた配偶者間の贈与であること 
 ②贈与された財産が居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭であること 
 ③贈与された年の翌年の3月15日までに贈与された居住用不動産又は贈与された金銭で取得した居住用不動産に居住し、かつ、その後も引き続き居住する見込みであること。 
 ④同じ配偶者から過去に同特例の適用を受けていなこと
 ⑤一定の書類を添付して贈与税の申告をすること 

留意事項 
 相続発生年に同特例贈与を実行した場合、受贈配偶者は贈与税の配偶者控除の適用を受ける旨の贈与税の申告が必要です。申告がない場合には、その贈与を受けた財産については、相続税の課税価格に加算されます。 
 また、贈与税の配偶者控除の適用を受けて贈与税がゼロであっても、贈与財産が居住用不動産であれば、所有者の移転登記に伴う登録免許税(2%)や不動産取得税(土地3%、家屋/住宅3%)が課されます。相続(遺贈含む)であれば登録免許税(0.4%)のみです。 

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AI 生成コンテンツは誤りを含む可能性があります。※不動産取得税の税率は令和9年3月31日まで 
最後に、一次と二次相続の通算相続税の軽減効果については親の世代から子の世代へ財産がすべて承継されたときの相続税で判定することが肝要です。 
ぜひ一緒に考えてみませんか。ご連絡をお待ちしています。 

参照(相法21の6①、相令4の6③)(相法21の6①かっこ書) (相法19①)(相法21の6②、相規9)

著者紹介

五十嵐 史絵
税務会計コンサルティング部 税務会計4課

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