全国銀行協会は、認知症患者の預金を家族が引き出しやすくなるよう、3 月中 に各銀行へ通達を出す予定です

佐藤 正典

その他

全国銀行協会(全銀協)は認知症などで判断能力が低下した高齢者の預金について、引き出し時の銀行界統一の考え方を示す予定という記事が、2020 年3 月11 日の日本経済新聞に掲載されました。

現在、判断能力が衰えた預金者への対応は各金融機関の現場で個々に判断しているのが実情です。預金者の認知能力を見極めるのは難しく、不正な引出しなどを警戒する銀行は、預金者が認知症になったと判断すると本人の資産を保護するとして口座からの引き出しを事実上凍結する場合があり、家族からは、本人の施設入居費など必要なお金が引き出せないといった不満が多く出ています。

金融庁によると、2014 年時点で金融資産全体の7 割を60 歳以上の世帯が保有しています。また、認知症患者数も増え続けており、第一生命経済研究所の試算によると同患者が保有する金融資産額は、2030 年には215 兆円に達する見通しです。

高齢者の判断能力が衰える前に後見人制度などの活用を促すなど、各金融機関は独自の取組を進めていますが、業界指針の策定を求めていました。全銀協は、「戸籍抄本などで家族関係が証明され、施設や医療機関の請求書で使途が確認できれば、口座からお金を引き出せるよう」業界統一の対応を促す予定です。
【2020 年3 月11 日 日本経済新聞記事より】

総務課 マネジャー

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