コラム de スタディ

2017.12.25.
【平成30年度診療報酬・介護報酬改定】個別事項(その8:その他の論点)

平成30年度診療報酬改定「個別事項(その8:その他の論点)」を今日は見ていきましょう。

【治療と仕事の両立支援】
日本の労働人口の約3人に一人が何らかの疾病を抱えながら働いています。
その疾病を持った労働者の治療と仕事の両立を支援するために、「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」に基づき「両立支援プラン」を作成し、支援することを求められています。

また、平成29年3月に産業医の養成研修の科目に、「病気の治療と仕事の両立支援」が追加されました。働き方改革実行計画に基づいて、医療機関向け「企業連携マニュアル」の策定・普及、両立支援コーディネーターの養成・配置等の取組が進められています。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

「治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」の概要は以下の通りです。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

参考までに現在の産業医制度のまとめを載せます。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

【保険医療機関に所属しない病理医との連携による病理診断】
遠隔病理診断の続きの議論となります。現状では、医療機関に所属している病理診断医との連携のみ評価されていますが、医療機関に所属しない個人の病理医との連携についても評価すべきではないかという指摘があり、検討されています。

病理診断料の算定要件は以下のとおりです。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

また、保険医療機関に所属しない個人の病理医との連携での課題は、次のスライドにまとめられています。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

課題①:病理診断の質の確保
⇒病理診断に習熟している病理医のもとで病理診断が行われるようにすることや、複数の病理医(常勤)で鏡検が行われるような体制の確保
※習熟している判断を病理診断の経験を7年以上有し、病理診断を専ら担当する常勤の医師の配置という基準を提案されています。

課題②:病理診断にかかる責任の所在
⇒現在は保険医療機関が組織として担保しているが、個人との契約となると、その責任が不明確になるのではないかということと、個人として負う責任としては大きすぎるのではないかということが議論されています。

課題③:適正な保険診療実施の確保
⇒保険医療機関は行政の指導対象となっているが、個人には指導・監査の対象とならず、適正な保険診療の実施が担保できるのか?という点も議論されています。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

【麻酔の技術評価のありかた】
麻酔科においては、外部から派遣される医師の活用が進んでいますが、反面、他の医師に比べて高額な報酬(謝金・給与等)の問題や、要請しても必ず来てもらえるとは限らないこと、麻酔医の都合で手術の開始が決まり、開始時間が一定ではないこと、などがあげられ、中でも「技量に対する不安」「やる気に対する不満」などが挙げられています。

医師の働き方改革の議論の中でも、常勤医師とのバランス等が困難な事例も報告されています。

また、①手術前後も含めた総合的な医学管理が必要なこと、②院内における他の診療科及び多職種との連携の視点での診療をより推進していくべきであるというような意見もあります。常勤の麻酔科医による総合的な医学管理については評価の在り方を見直すことも提案されています。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

参考までに、麻酔管理料の概要と閉鎖式全身麻酔の算定について掲載します。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

なお、医師に関する検討課題が整理されていましたので参考資料として掲載します。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

【スティーヴンス・ジョンソン症候群等の眼後遺症に対する治療】
指定難病である「スティーヴンス・ジョンソン症候群」及び「中毒性表皮壊死症」の眼後遺症の患者に用いるものとして新たに治療用コンタクトレンズが開発されましたが、当該治療法は保険給付の対象となっていません。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

この治療法としては専用のコンタクトレンズを用いた治療が有効であると報告されています。また、平成30年4月に改定が予定されている、「指定難病に係る診断基準及び重症度分類等」の中に追加される見込みとなっています。

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出典:中医協資料(20171215):「個別事項(その8:その他の論点)」より

 

これら、指定難病の基準追加を踏まえ、当該治療法を保険適用することが検討されています。難病の診断を受けられている方にとっては朗報かもしれません。

 

<参考資料>
個別事項(その8:その他の論点)

経営支援課

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