クリニックのM&A ~まずは親族内承継~

弓削 貴裕

医業承継支援

今日、中小企業の事業承継問題について報道されていますが、やはり医療業界にもその波はきています。 
開業医の高齢化が進み、多くの先生がクリニックの存続に頭を悩ませておられます。 
クリニックの事業承継は他の業種と異なる点があり、譲る先生も引き継ぐ先生も注意が必要です。 

〇譲る側 の注意点 

  1. まず親族(お子様)に譲ることができる環境があるか です。 

 医師を目指す理由として、【親の背中を見て】というのが一番多いと思います。 

 しかし目指したからなれるものではありません。他の業種では社長になるのに資格を必要としない場合が多いですが、クリニックは医師免許が必須です。この大きなハードルを越えているか。 

  1. 次に診療科が合うかどうか です。 

親は整形外科医だが、私は内科です、という場合。医院を継げなくはないですが、診療科目が違うので、患者の層は変わります。事業承継のメリットが失われる可能性が高いです。 

  1. 次に親と一緒に仕事をしたいかどうか です。 

診療科目は一緒になったが、同じ場所で一緒に仕事をすることへの抵抗を示す場合も少なくありません。治療方針や対応など、お互いの考え方がぶつかるとうまくいきません。 

これらの理由から、クリニックの親子間事業承継が上手くいかないケースが多いのです。 

しかし多くの先生方は、この地域から医療を無くされることを良しとしません。その責任感には尊敬の念を禁じ得ません。 

だとすると、第三者への事業承継を検討しなければならないのです。 

そしてこれが簡単ではないのです。 

次回は「第三者承継」について詳しくお話致します。 

2024年6月25日

著者紹介

弓削 貴裕
経営プランニング部 部長

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