【令和3年度介護報酬改定】令和3年度介護報酬改定の方向性について⑤

長 幸美

アドバイザリー

前回介護報酬改定のときに出てきた「科学的介護サービス」についてお話していきましょう。
これは、いわゆる「エビデンスに基づく医療」の介護バージョンであると考えています。前回改定において、VSITによる通所・訪問リハビリ情報などが集められる仕組みができ、介護レセプトや認定情報等を含め、様々な介護関連データが集約されています。
2020年度から、さらに、下記の項目について、データ収集がなされ、運用を開始されています。

「VISITとCHASE」
(出典:社保審_介護給付費分科会(20200930)資料より)

これは、サービスの質の向上に関し、高齢者の状態、ケアの内容等を複合的に収集活用するデータベースを整備し、質の高い介護サービスの提供を進めていきたいということだと思います。
ここで私が感じていることは、「何もかもやってあげる介護」からの脱却を求められているのではないかということです。介護は人的産業といわれています。
しかしながら、見守り機器やICTを活用することにより、情報の共有化が図れ、介護業務の効率化を行うことができ、より介護者の負担が軽くなり、必要なサービス提供が図れることもあるかもしれません。

また、AIによるケアプランの作成研究も進んでいるようですので、今後の動向が注目されるところだと思います。

また、介護というと腰痛で現場を離れることもよくお聞きしますが、「ノーリフティングケア」など、オーストラリアやイギリスでの取り組みを参考に、介護ロボットの導入や、ICTを活用したモニタリング、カンファレンス等の導入など、幅広く活用が期待されています。
改定とともに、動向を注目していきたいと思います。

医業経営支援

制作者の直近の記事

コラム一覧に戻る
お問い合わせ

PAGE TOP