2020年新年のご挨拶 「ファクトフルネス」

佐々木 大

その他

昨年のベストセラー『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10 の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』の中に、「ネガティブ本能」というキーワードが出てきます。本書のなかで、「ネガティブ本能」とは、「人は誰しも、物事のポジティブな面より、ネガティブな面に注目しやすい」という人間の性質、とされています。

これは、行動経済学の世界でも、「プロスペクト理論」のなかの「損失回避性」として研究されています。それによると、「人間は利得よりも損失の方が約2 倍強く感じる」ので、「無意識のうちに損失を回避する心理的な傾向をもつ」、というのです。

日本の人口減少・少子高齢化が、進んでいます。うんざりするくらい、報道もされるようになりました。2018 年の確定データでは、出生数91 万8400 人、死亡数136 万2470 人で、1 年間で44 万4070 人の減少となりました(厚生労働省 人口動態統計)。これが今後より加速していくことは、確定しています。このような人口減少局面では、一般論で考えると、あらゆる経済が縮小します。ネガティブにしか捉えられない程、インパクトの大きい話です。

ファクトフルネスにしても、行動経済学にしても、その根底には、「人間はときに不合理で判断を間違いやすい、ということを認識したうえで、できるだけ合理的な意思決定をしていこう」という目的があります。
まさに、企業経営においては、このような「ネガティブ本能」の存在を受け入れたうえで、そのなかでも、できるだけ冷静に、客観的に、意思決定をしていく必要がでてきます。一般論で考えるとすべてがダメそうなことも、「業種」や「地域性」などを冷静に分析してみると、そうではないことも多いものです。ここに目をつけて、必死でアイデアを出して、実行に移していくことが、経営者の仕事。そして、これらの支援をすることが、私たち佐々木総研グループの、重要な役割のひとつである、と捉えています。

私たち佐々木総研グループは「経営のよろず相談屋」として、皆様の企業経営を力強くサポートできるよう、日々精進いたします。本年も、よろしくお願い申し上げます。

2020年 元旦
株式会社佐々木総研 代表取締役

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